財産を差し押さえるには、どうすればよいですか

財産を差し押さえるには、どうすればよいですか

2020/6/15

以前、養育費の支払を拒絶された際の対応方法として、強制執行として預金の差押えの方法がある事をお伝えしました。この差押えの為には、相手が、どこに、どのような財産を持っているかを確認する必要がありますので、今回は、その方法をお伝えしたいと思います。

 財産の差押え手続きに関しては民事執行法があり、この法律には、支払をしない人に対し、財産の内容を説明させる財産開示手続という制度が以前からありました。しかし、財産開示の実効性が乏しく、あまり活用されてきませんでした。

 そこで、近時法律が改正され、財産開示の罰則が強化され、銀行等の金融機関からは、支払の義務を負っている者の預貯金・上場株式、国債等に関する情報を教えてもらうことができるようになりました。また、市町村や日本年金機構等からは、支払の義務者がどこに勤めて給料をもらっているのかに関する情報も教えてもらうことができるようになりました。

 そのため、養育費等を支払ってもらえず、差押えなどで強制的に支払ってもらうことを考えている場合は、ご自身でこれらの制度を活用されるか、弁護士へご相談することをお勧めします。

コロナの関係

コロナ対策として、電話相談やZOOMを活用した相談も実施しています。一人で悩まずお気軽にご相談ください。

知らない業者からマスクが送りつけられました

2020/5/14

新型コロナウイルスの影響で、マスク不足が問題化していましたが、最近は、マスクを送りつけて代金を一方的に請求するという事案が発生しています。中には不当に高額な金額を請求されることもあり注意が必要です。

このように注文もしてもいないのに、商品だけを送りつけ代金を請求する商法は「送りつけ商法」と呼ばれ、悪質な商取引として、特定商取引法により規制がなされています。

具体的には、業者が、購入申込をしていない消費者に対し、商品を送りつけた場合には、消費者が商品を受領した日から14日間経過する間に、業者がその商品を引き取らないときは、業者は、商品の返還を請求できなくなるというものです。

これは受け取った消費者の側からすれば、14日間受け取った商品をそのままにしておけば、送りつけられた商品を自由に処分することができ、使用することもできます。

その為、突然マスクが送りつけられてきたら、受け取ってから14日間はそのまま保管しておいて、期限が過ぎれば自由に処分すればよいことになります。

その他、ご不安な点があれば、行政の消費者相談窓口か弁護士等の法律家にご相談下さい。

事務所じゃないと相談できませんか

2020/4/12

近時、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛が要請され、人との接触も自粛が求められており、多くの方々が生活に不安を抱えているかと思います。

このような状況下でも、賃貸借契約の問題、労働問題、会社間取引の問題、家庭内のDV、児童虐待等、法律にまつわる問題は日々発生しています。

外出自粛で、ただでさえ不安な思いを抱える中、加えて別の問題が生じ、その問題が法律に関わることとなると、不安な気持ちは更に高まることと思います。

そんな時は、弁護士等の法律家に相談したいという人も多いと思いますが、外出自粛で事務所を訪ねることも気が引けるということもあると思います。

多くの方が直接事務所に行かないと相談できないと思われると思いますが、法律相談は電話のみで対応する事は可能です。但し、利害関係確認の為、相談の前に、相談者のお名前と相手方のお名前等を確認させていただきますので、匿名での相談はできません。

 また、当事務所においては、インターネット回線を利用しての面談相談も可能であり、相談可能かどうかの問い合わせに費用は発生しませんので、まずはお気軽に事務所にお電話ください。

決めた養育費を払ってくれません

2020/3/10

離婚の際に子どもの親権を取得した親は、他方の親に対して子どもの養育費を請求できます。養育費の金額については、話し合って決めることもできますが、家庭裁判所を利用して、調停や審判で決めることもできます。

このようにして養育費が決められたにも関わらず、支払義務者となった親が支払わない事案が存在し、その場合、親権者となった親が金銭的に苦労することになります。

その為、養育費を実際に支払ってもらう手段が重要ですが、家庭裁判所を利用して養育費を決めた場合は、履行勧告という手段で、支払義務者に支払うよう裁判所から促してもらったり、強制執行という手段で、裁判所を利用して支払義務者の預貯金を差し押さえたりすることができます。

金銭が払われない事案の中には、支払義務者が自己破産する場合もありますが、通常の借金と異なり、養育費は自己破産しても責任がなくならず、時効で消滅しない限りいつまでも請求が可能です。

養育費は毎月の金額は数万円でも、何年も支払がなされないと多額になります。養育費の請求のことでお困りの際は、弁護士等の法律の専門家へご相談することをお勧めします。

 

 

家の借主が勝手に交代した場合、どうすれば良いですか

2020/2/14

長年、家を人に貸していたら、借りていた人がいつの間にか別の人に借家を利用させているという事案があります。

これまでご紹介したように建物の借主は、借地借家法で保護される為、このような場合でも借主が保護されると考える人がいるかもしれません。

しかし、建物を貸した人は、その借主だからこそ大切な建物を貸したのですから、原則として、貸主の同意もなく、借主が、別の第三者と交代し別の人を借家に住まわせることは許されません。

したがって、借主が別の第三者に無断で交代した場合は、原則として、貸主は、借主との賃貸借契約を解除し、借家に住んでいる人の立ち退きを求めることができます。

このような借主の無断交代が賃貸借契約の解除が認められる典型例とされますが、借主と従前から同居していた親族が新たな借主として交代し、賃料もそれまでどおり払われているようなケースで、貸主・借主の間の信頼関係が失われたとまでいえない場合は、賃貸借契約を解除できない場合もあります。

そのため、実際に借主が勝手に交代し貸主として賃貸借契約を解除したい場合は、弁護士等へ一度ご相談することをお勧めします。

 

期間を決めて不動産を貸すことができますか

2020/1/13

建物を建てる為に土地を貸す場合や、建物を貸す場合には、借地借家法という法律により、借主の権利が保護される為、貸主の請求により賃貸借契約を終了させることができないことが多く、中には、「一度人に貸すと二度と元に戻らない」と勘違いしている人もいらっしゃいます。

事実、借地借家法の適用により、土地や建物の賃貸借契約は、期間を定めたとしても、その期間が延長され、賃貸借契約を終了する場合、一定の金銭を支払わなければ解除できない場合も生じます。

しかし、これでは短期間のみ貸したい人や借りたい人がいても、借地借家法の適用を恐れて貸すことを控え、活用されない不動産が増えることになりかねません。

その為、借地借家法では、定期賃貸借というものを定め、定めた期間が経過した場合に、賃貸借契約が必ず終了する場合を認めています。

短期での賃貸借を考える場合は、この制度を利用すると良いですが、公正証書による作成などの条件があり、条件を満たさないと通常の賃貸借と同様に解除が困難となる場合がありますので、定期賃貸借契約を希望する場合は、弁護士等の法律家に相談することをお勧めします。

 

 

賃料を払わなかったら即解除ですか

2019/12/15

建物等の賃貸借契約において、賃料を支払うことは重要な債務であり、借主が賃料を払えなかった場合には契約は解除となりかねません。

ただし、賃貸借契約は、建物等を借り続ける限り毎月賃料が発生するため、当初は遅れることなく支払が出来ていたのに、ある日何らかの事情によって支払が出来ない事態が生じることがあり得ます。

このような場合に、毎月の賃料の支払が1回遅れただけで賃貸借契約が解除となってしまっては、それまで住み続けてきた借主がいきなり路頭に迷うことにもなりかねません。また、貸主にとっても、1回の賃料の支払が遅れたとしても、その後に遅れた分を支払ってくれれば、大きな損害という程のことにはなりません。

そこで、裁判所は、賃料不払いという事実のみで解除の可否を決めることなく、賃借人・賃貸人の間の信頼関係が破壊されているかどうかを基準に解除の可否を判断し、1回の不払いのみでは信頼関係の破壊を認めず、解除を認めないことがほとんどです。

賃貸借契約の解除は、この信頼関係の破壊の有無が重要ですので、賃料不払いで解除が問題となっている場合は、弁護士等にご相談ください。

賃料は変えられますか

2019/11/10

建物や土地を貸したり借りたりした際に、最初に賃料額を決めた場合、その賃料額はいつまでも変更できないと考え、何年も前に決めた賃料が低額であると考える場合や、逆に高すぎると考える場合でも、その賃料額を変更することができないと諦めている人もいるかもしれません。

一般的な契約においては、一度契約時に定めた代金は、相手の合意なしには変えられないのが原則です。しかし、建物を建てる目的で土地を賃貸したときや、建物を賃貸した場合には、借地借家法が適用されます。借地借家法では、賃料が、土地や建物の税金や価格の変動により不相当となったとき、また、周囲の同種土地や建物の賃料と比較して不相当となったときは、賃料の増額や減額が認められます。

賃料の増額や減額は、賃料の変更を請求した時から変動するため、請求の際には後の紛争に備えて、内容証明郵便などにより、請求したことの証拠を残すことが重要です。

また、賃料の増額や減額が認められるか否かの判断は、契約書の内容やその他の事情により異なる可能性もありますので、賃料額についてお困りの際は、弁護士等の法律の専門家にご相談ください。

自分で書いた遺言書をどう保管したら良いですか

2019/10/11

遺言書は、15歳以上なら誰でも自分で作成できます。遺言者が自分で手書きした遺言書を自筆証書遺言と言います。このような遺言書を作っておけば、後日、自分が亡くなった時に残された遺族にどのように遺産を分配するかを決めることができますが、遺言書を発見した人が、遺言内容を実現してくれなければならず、時には、誰かに遺言書を処分されてしまう可能性があります。

その為、遺言書を作成した際には、自分が亡くなった後にその内容を実現してくれる人に託しておく必要があります。この点、公証人役場で作る公正証書遺言であれば、公証人役場に遺言が保管されますが、自筆証書遺言については、これまでは公的な制度はなく、保管は知人等に預けるしかありませんでした。

しかし、近時の相続法の改正に伴い、法務局で遺言書を保管してくれる制度が定められました。この制度は、令和2年7月10日以降に始まりますが、法務局で保管し、亡くなった後は、相続人等は、申請すれば遺言書の内容を知ることができます。

これにより従来のような遺言書の紛失の可能性が亡くなり、より自筆証書遺言が利用しやすくなりました。

夫の親が亡くなった場合に、妻である私は遺産を取得できますか

2019/9/10

従来の法律では、亡くなった人の子は、相続人として遺産を取得できますが、相続人の妻のように、相続人ではない人は、他の相続人が一人も存在しない場合であって特別縁故者と認められた場合にのみ遺産を取得することができるだけでした。

その為、例えば、妻が、夫の親が経営する事業を手伝ったことで、夫の親の財産が増加し、余計な出費を抑えることができていたとしても、他の相続人がいる場合には、妻自身が遺産を取得することはできませんでした。

しかし、これでは実際に努力した人が何ら財産を取得できない一方で、努力していない相続人が遺産を取得することになり不公平です。

そこで、最近の法律改正により、相続人の妻のような、これまで相続人ではないとして相続財産を取得できなかった人でも、亡くなった人との親族関係があり、その者による相続財産の維持増加への特別の寄与が認められれば、寄与の程度に応じた金銭を相続人に請求できるようになりました。

もっとも、どのような貢献があれば、どの程度の金額と評価をするべきかなどの問題がありますので、詳しいことは、弁護士等の法律の専門家へご相談ください。

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。