子どもの借金を親は払うべきでしょうか?

子どもの借金を親は払うべきでしょうか?

2021/4/13

お子さんが4月から家を出てしばらく経ったある日、「お子さんの借金を払ってくれませんか?」と見知らぬ人が尋ねてきたら、どう対応すべきでしょうか。

中には、詐欺の場合もあるので、その際は警察に相談すべきですが、直接お子さんに確認したら本当に借金をしている場合もあります。

このような場合、法律上、保証人でもない限りは親であっても子どもの借金を払う必要はなく、「支払いません。」と言って断れば大丈夫です。

ですが、時には、子どもの生活を心配し、払う必要がないと分かっていながら支払う親さんもいらっしゃるかもしれません。このような対応は決して誤りではありませんが、代わりに払うことで、時にお子さんが借金を繰り返す切っ掛けになってしまう場合もあります。

その為、仮にお子さんの借金を払うときは、何故そのような借金をしてしまったのか、今後借金を繰り返さないようにするにはどうしたら良いかをお子さんとしっかり話し合ってから対応を検討することが重要です。

中には、法律上返さなくても良い借金の場合もありますので、借金の内容に疑問があるときは一度弁護士に相談してみるのも重要です。

遠くに住む相手と裁判するにはどうしたら良いですか

2021/3/16

郡上市内の方のご相談の中には、時折、東京や大阪等に住む相手方との紛争についての相談があります。

その際、電話や郵便による話合いで解決できれば良いのですが、双方の主張が折り合わず、裁判手続きを利用するしかない時は、裁判所をどこにするかは重要な問題となります。

特に遠方での裁判となった場合、本人か代理人である弁護士がその裁判所に出向かなければならない為、その移動費だけで高額な出費ともなりかねません。

このような何処の裁判所で裁判をするかについては民事訴訟法という法律に定められており、原則は、訴えの相手方の住所地の裁判所とされています。

しかし、それでは先に訴訟を起こした側が、相手の住所地まで出向かなければならず、請求する側にとって大きな負担です。そこで法律には、相手の住所地以外に、支払を行うべき場所の裁判所で裁判ができる等のルールも定めており、事件の内容によっては訴える側の近くの裁判所が利用できます。

裁判所が何処になるかは、訴訟が開始されてからでは変更が難しくなることもある為、遠方の相手方との紛争については、お近くの弁護士に対応方法等をご相談下さい。

郡上で働く

2021/2/3

尾藤法律事務所

弁護士

尾藤 望

中学時代の恩師の「君は弁護士にむいている」の一言がきっかけで弁護士を志す。

弁護士資格を取得後、東京での3年半の実務経験を経て、郡上で事務所を開設。

今年で創業10年目。

DATA

尾藤法律事務所

郡上市八幡町城南町218-1

0575-67-9107

bito@gujohachiman-lawoffice.com

9:30~17:30

土日祝休み

岐阜県弁護士会所属

キャッチ

郡上でできる仕事を考え

選んだのが弁護士

リード

「人の人生に深く関わり、人の助けになる、こんなやりがいのある仕事はない」と魅力を話す尾藤さんに仕事と地域の魅力をお聞きしました。

Q.仕事を選んだきっかけと魅力は?

私が子どもの頃、実家は土木業を営んでいました。ですが、その当時土木業がこれから先厳しい時代と言われており、会社勤めというのも気が向かず、将来、郡上で暮らしたいと思っていた私は、自分が郡上でできる仕事は何だろうと悩んでいました。将来の進路選択を考えていた際、中学時代の恩師に言われた「君は弁護士に向いている」という一言で弁護士を目指しました。具体的な仕事内容を理解したのは、中央大学に入学し実際の弁護士に出会ってからです。物事には良い面と悪い面がありますが、弁護士は多面的・客観的視点で事例を見て関わり、依頼者にとって一番いい解決法を提案できる、やりがいのある仕事だと思います。

Q.独立したのはいつ?

今から10年前です。弁護士資格取得後、3年半東京の弁護士事務所で勤め帰省しました。東京にはインパクトの大きな仕事があり、一時は40歳位になったら郡上に帰ることも考えました。しかし、全力で働くうちに、仕事に追われるだけの生活に疑問を感じ、また長く働くことでお客様との関わりと責任が強くなり、長く働いては郡上へ帰れなくなると感じ、三年半で帰省しました。帰省前は、郡上で仕事が成り立つかなど不安もありました。1年やってみて、赤字にならないことが分かり、腰が据わりました。

Q.地域に思うことは

岐阜県の人は、協調性があり無理なことは言わない気質だと思います。ただ未だに正当な権利を主張せず我慢をしてしまっている人もいると感じています。暮らしの中で疑問を感じる時は、法律扶助の制度もありますので気軽に相談ください。GUJO+コラムにも、相談事例を毎月掲載しています。ぜひ参考にしてください。

郡上は、人が人らしい生活のできる贅沢な場所だと思います。すぐ近くに自然があり、毎日がワーケーションのような場所です。多くの人が地域に愛着を持ち、伝統文化を大切にし、新しい発見に何度も会えるこの地域での暮らしに感謝したいと思っています。

弁護士にはどんな時に頼めば良いですか

2021/1/14

「弁護士に相談」といっても、どのような時に弁護士を利用したら良いのか分からない方も多くいるかと思います。

弁護士と似た業種には、税理士、司法書士等の士業があり、士業を利用したことのない人にはどれも同じに見えると思われます。

一部の士業について簡単に説明すると、税理士とは、税金に関する専門家であり、税務申告等の際に、複雑な税金について適切な申告等をする為に利用する士業です。

司法書士とは、不動産や会社の登記その他の法律事務の専門家であり、土地や建物といった不動産の名義を変更する時等に利用する士業です。

弁護士以外の士業は活動できる業務には限りがありますが、弁護士は法律に関わる全ての業務を扱える点で、どのような法律問題も対応でき、どのような相談でも可能です。

ただし、多くの弁護士は、他の士業と連携しており、税務申告については税理士の先生、登記については司法書士の先生にご協力いただいており、士業が互いに協力しているのが実際です。その為、法律でお困りの際には、先ずは、お近くの士業の先生に相談すれば、弁護士を利用すべきかどうかも分かることが多いかと思います。

弁護士はどこに行けば会えますか

2020/12/14

郡上市の皆様に役立つ法律知識を紹介する為の本コラムも今回で100回目になります。これまで続けられたのは、様々な方に当事務所をご利用いただけたおかげです。ありがとうございます。当事務所も、開設から9年以上が経ちましたが、未だに「初めて弁護士と話をした。」という方は多くいらっしゃいます。

近くに法律事務所があれば、相談しやすいかもしれませんが、郡上市内の弁護士事務所は当事務所を含めて3つと数自体が少なく、相談に行くにもどこの事務所が近いのかも分からない方も多くいるかと思います。

弁護士事務所を探すのに、インターネットを利用する方も多いと思いますが、単純なネット検索では、数が多すぎてかえって分からなくなることも多いと思います。

弁護士事務所を探すだけであれば、全国の弁護士が所属する日本弁護士連合会のホームページにある「弁護士検索」を使うのが正確で確実です。

また、各都道府県には、地域ごとの弁護士が所属する弁護士会が存在し、そちらに問い合わせればお住いの近くの弁護士や法律相談場所を案内してもらうことができます。

今後とも当事務所をよろしくお願い致します。

家族の名前なら代わりに書いても良いですか

2020/11/15

生活において様々な契約をする場合に、契約書に署名が必要となりますが、その際に、本人が忙しい等の理由で、家族が契約書の作成を手伝うことがあります。

この時、契約者本人が、家族に対して「代わりに署名して欲しい。」といって印鑑を預けて、家族が代わりに署名する事もあるかと思います。

このように契約者の了解の下、家族が代わりに署名することは、署名ができない本人の代筆にすぎず、違法な行為ではなく、契約も有効と判断されます。

しかし、本人の了解を得ていた事について証拠が無い場合は、後に問題になることもあり、場合によっては契約も無効となりかねません。また、本人が自ら署名する自署が求められている契約においては、契約の性質から、例え本人が了解しても家族が署名することが認められず、時には文書偽造と評価される事もあり得ます。

日常的な契約であれば代わりに書く行為は、問題になることは少ないと考えられますが、自署が求められる契約、借金の為の契約、重要な財産を処分する契約等の重要な契約については、仮に本人が了解していても、家族が代わりに署名せず、本人が署名することが重要です。

 

インターネット上の誹謗中傷は消せますか

2020/10/14

インターネット上に記載された誹謗中傷が原因で、誹謗中傷を受けた人が、精神的に強いショックを受け、企業においては、営業上の大きな損失を受けることが存在します。誹謗中傷された側にとっては、書かれた内容を消して欲しいと願うのが通常です。

この時、直ぐに書き込みをした人が分かり、その人に削除が求められれば良いですが、実際は、誰が書き込みをしたかを確認することは困難で、分かってもその人が削除してくれるとは限りません。これでは、書かれた側は何もできないことにもなりかねません。

そこで、プロバイダ責任制限法という法律により、書き込んだ人が分からなくても、サイト管理者等に削除するよう求める方法があります。

具体的には、誹謗中傷の書き込みがなされているサイトの運営会社等を確認し、その運営会社等に対して削除依頼を行い、一定の条件が満たされれば、運営会社等が書き込みを削除します。書き込んだ人間が分からない際は、まずはサイトの運営会社等を確認して対応を求めるというのが有効な方法となりますが、より具体的にどのように手続きを行うのか分からないときは、弁護士にご相談下さい。

 

スポーツ保険は必要ですか

2020/9/13

近時、学校の部活動について、土日の部活動を学校が行わず、代わりに保護者の運営するスポーツクラブが活動を行うことがあるそうです。保護者の立場からすれば、部活動の延長を手伝う感覚かもしれませんが、この際、検討したいのがスポーツ保険の加入です。

スポーツをするとき、スポーツの結果負った怪我は、選手の自己責任と考え、その保護者としては、自身の子どもの怪我に対する保険だけ入れば、更にスポーツ保険に入る必要はないと考える方もいるかもしれません。

しかし、スポーツにおける事故は様々な原因で発生し、中には死亡事故等の重大事故が起こることもあります。その際、事故の発生状況によっては、指導者、主催者、加害者となった選手、選手が未成年であればその親が責任を問われるケースがあり、最悪何千万という金額の損害賠償責任が認められることもあります。

学校の部活動においては、学校において保険を用意することがありますが、保護者が任意で行うスポーツクラブ等は、その保護者等が責任を負うものであり、万が一の事故が発生した場合に備えて、スポーツ保険への加入は検討されることをお勧めします。

 

自宅の競売が申立てられたら、いつまで住めますか

2020/8/12

前回まで強制執行をご紹介していますが、強制執行には債務者の自宅等を強制的に売払い、売却代金によって支払を受けるという不動産競売があります。

不動産競売の流れを簡単に説明すると、裁判所に対して競売の申立てがあると、裁判所は、不動産の調査を行い、売却の基準となる金額を定めます。そして、その不動産を欲しい人が、裁判所が定めた基準価格を参考に購入価格を裁判所に提案し、一番高額な価格を提案した人が、代金を払い不動産を取得します。

このような競売手続きは、自宅を担保に住宅ローンを借りて返済できなかった際に行われることが多く、競売が申立てられたら直ぐに出て行かなければならないと思う人も多いと思います。

しかし、競売手続きが申立てられても、競売の結果、新しい所有者が決まるまでは、その不動産は、従来の所有者の物であることに変わりはありません。

通常、競売の申立から、新しい買主が代金を支払い所有者が変わるまでは半年以上の期間が必要となるため、競売が申し立てられても半年は住むことが可能です。

その他、競売について困ったことがあれば、弁護士等の法律家にご相談ください。

 

財産開示手続とは、どのような制度ですか

2020/7/13

前回は、強制執行の為に、支払の義務を負う債務者の財産を調べる方法として財産開示手続をお伝えしましたが、今回は、その内容について詳しくお伝えします。

財産開示手続の実施が認められると、裁判所は、債務者に対して、財産開示期日を通知し、併せてどのような財産を持っているのか説明する財産目録の提出を指示します。

債務者は、指定された期日に出頭しなければならず、裁判所と財産開示の申立人は、出頭した債務者に対して財産に関する質問を行います。質問内容は、銀行口座・インターネットバンキングの有無、積立型保険の有無、給与以外の副収入の有無、数年内に不動産・自動車等の高額な物・権利の売却の有無などが質問されます。

この手続きの中で、期日に出頭しなかった場合や、質問に対し嘘をついた場合は、債務者は、6カ月以下の懲役、または、50万円以下の罰金という刑事罰を受けることになります。

このように財産開示手続は、債務者の財産を確認する強力な手段でありますが、手続きの利用には判決を得ている等の条件がある為、手続きを利用したい場合は弁護士等の専門家へご相談することをお勧めします。

 

 

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。