2019/12/15
建物等の賃貸借契約において、賃料を支払うことは重要な債務であり、借主が賃料を払えなかった場合には契約は解除となりかねません。
ただし、賃貸借契約は、建物等を借り続ける限り毎月賃料が発生するため、当初は遅れることなく支払が出来ていたのに、ある日何らかの事情によって支払が出来ない事態が生じることがあり得ます。
このような場合に、毎月の賃料の支払が1回遅れただけで賃貸借契約が解除となってしまっては、それまで住み続けてきた借主がいきなり路頭に迷うことにもなりかねません。また、貸主にとっても、1回の賃料の支払が遅れたとしても、その後に遅れた分を支払ってくれれば、大きな損害という程のことにはなりません。
そこで、裁判所は、賃料不払いという事実のみで解除の可否を決めることなく、賃借人・賃貸人の間の信頼関係が破壊されているかどうかを基準に解除の可否を判断し、1回の不払いのみでは信頼関係の破壊を認めず、解除を認めないことがほとんどです。
賃貸借契約の解除は、この信頼関係の破壊の有無が重要ですので、賃料不払いで解除が問題となっている場合は、弁護士等にご相談ください。