2019/10/11
遺言書は、15歳以上なら誰でも自分で作成できます。遺言者が自分で手書きした遺言書を自筆証書遺言と言います。このような遺言書を作っておけば、後日、自分が亡くなった時に残された遺族にどのように遺産を分配するかを決めることができますが、遺言書を発見した人が、遺言内容を実現してくれなければならず、時には、誰かに遺言書を処分されてしまう可能性があります。
その為、遺言書を作成した際には、自分が亡くなった後にその内容を実現してくれる人に託しておく必要があります。この点、公証人役場で作る公正証書遺言であれば、公証人役場に遺言が保管されますが、自筆証書遺言については、これまでは公的な制度はなく、保管は知人等に預けるしかありませんでした。
しかし、近時の相続法の改正に伴い、法務局で遺言書を保管してくれる制度が定められました。この制度は、令和2年7月10日以降に始まりますが、法務局で保管し、亡くなった後は、相続人等は、申請すれば遺言書の内容を知ることができます。
これにより従来のような遺言書の紛失の可能性が亡くなり、より自筆証書遺言が利用しやすくなりました。