賃料を払わなかったら即解除ですか

賃料を払わなかったら即解除ですか

2019/12/15

建物等の賃貸借契約において、賃料を支払うことは重要な債務であり、借主が賃料を払えなかった場合には契約は解除となりかねません。

ただし、賃貸借契約は、建物等を借り続ける限り毎月賃料が発生するため、当初は遅れることなく支払が出来ていたのに、ある日何らかの事情によって支払が出来ない事態が生じることがあり得ます。

このような場合に、毎月の賃料の支払が1回遅れただけで賃貸借契約が解除となってしまっては、それまで住み続けてきた借主がいきなり路頭に迷うことにもなりかねません。また、貸主にとっても、1回の賃料の支払が遅れたとしても、その後に遅れた分を支払ってくれれば、大きな損害という程のことにはなりません。

そこで、裁判所は、賃料不払いという事実のみで解除の可否を決めることなく、賃借人・賃貸人の間の信頼関係が破壊されているかどうかを基準に解除の可否を判断し、1回の不払いのみでは信頼関係の破壊を認めず、解除を認めないことがほとんどです。

賃貸借契約の解除は、この信頼関係の破壊の有無が重要ですので、賃料不払いで解除が問題となっている場合は、弁護士等にご相談ください。

賃料は変えられますか

2019/11/10

建物や土地を貸したり借りたりした際に、最初に賃料額を決めた場合、その賃料額はいつまでも変更できないと考え、何年も前に決めた賃料が低額であると考える場合や、逆に高すぎると考える場合でも、その賃料額を変更することができないと諦めている人もいるかもしれません。

一般的な契約においては、一度契約時に定めた代金は、相手の合意なしには変えられないのが原則です。しかし、建物を建てる目的で土地を賃貸したときや、建物を賃貸した場合には、借地借家法が適用されます。借地借家法では、賃料が、土地や建物の税金や価格の変動により不相当となったとき、また、周囲の同種土地や建物の賃料と比較して不相当となったときは、賃料の増額や減額が認められます。

賃料の増額や減額は、賃料の変更を請求した時から変動するため、請求の際には後の紛争に備えて、内容証明郵便などにより、請求したことの証拠を残すことが重要です。

また、賃料の増額や減額が認められるか否かの判断は、契約書の内容やその他の事情により異なる可能性もありますので、賃料額についてお困りの際は、弁護士等の法律の専門家にご相談ください。

自分で書いた遺言書をどう保管したら良いですか

2019/10/11

遺言書は、15歳以上なら誰でも自分で作成できます。遺言者が自分で手書きした遺言書を自筆証書遺言と言います。このような遺言書を作っておけば、後日、自分が亡くなった時に残された遺族にどのように遺産を分配するかを決めることができますが、遺言書を発見した人が、遺言内容を実現してくれなければならず、時には、誰かに遺言書を処分されてしまう可能性があります。

その為、遺言書を作成した際には、自分が亡くなった後にその内容を実現してくれる人に託しておく必要があります。この点、公証人役場で作る公正証書遺言であれば、公証人役場に遺言が保管されますが、自筆証書遺言については、これまでは公的な制度はなく、保管は知人等に預けるしかありませんでした。

しかし、近時の相続法の改正に伴い、法務局で遺言書を保管してくれる制度が定められました。この制度は、令和2年7月10日以降に始まりますが、法務局で保管し、亡くなった後は、相続人等は、申請すれば遺言書の内容を知ることができます。

これにより従来のような遺言書の紛失の可能性が亡くなり、より自筆証書遺言が利用しやすくなりました。

夫の親が亡くなった場合に、妻である私は遺産を取得できますか

2019/9/10

従来の法律では、亡くなった人の子は、相続人として遺産を取得できますが、相続人の妻のように、相続人ではない人は、他の相続人が一人も存在しない場合であって特別縁故者と認められた場合にのみ遺産を取得することができるだけでした。

その為、例えば、妻が、夫の親が経営する事業を手伝ったことで、夫の親の財産が増加し、余計な出費を抑えることができていたとしても、他の相続人がいる場合には、妻自身が遺産を取得することはできませんでした。

しかし、これでは実際に努力した人が何ら財産を取得できない一方で、努力していない相続人が遺産を取得することになり不公平です。

そこで、最近の法律改正により、相続人の妻のような、これまで相続人ではないとして相続財産を取得できなかった人でも、亡くなった人との親族関係があり、その者による相続財産の維持増加への特別の寄与が認められれば、寄与の程度に応じた金銭を相続人に請求できるようになりました。

もっとも、どのような貢献があれば、どの程度の金額と評価をするべきかなどの問題がありますので、詳しいことは、弁護士等の法律の専門家へご相談ください。

遺留分とは、なんですか

2019/8/8

相続問題でよく聞く言葉に、遺留分という言葉があります。遺留分とは、相続の際に、法定の相続人に対し、相続財産の中で必ず確保されることが認められた割合を意味します。

例えば、亡くなった被相続人(親)が、生前、相続人となる二人の子(兄弟)の一方(兄)にだけ相続させる内容の遺言を作成したとします。この場合、何ももらえなかった一方(弟)には、遺留分が認められ、兄に対し遺留分として相続財産の4分の1が請求できます。

ですが、仮に兄が、親が死亡する前に多額の預金(1200万円)を贈与されていた場合、親の死亡時の預金(800万円)のみで遺留分を計算しては、弟にとって不公平です。

そこで民法は、過去に相続人が贈与された財産も遺留分を考える際に計算にいれることを認めています。

これまでは、20年以上前の贈与も計算に入れていましたが、このような計算は、相続人の地位を不安定としたため、最近の法律改正で、相続開始前10年間に行われた贈与までとなりました。

このように遺留分の計算は、最近の改正もあり難しくなっているので、遺留分の問題がでたら、弁護士等の法律家にご相談ください。

亡くなった親の預金は下ろせますか

2019/7/14

これまでは、例え亡くなった親の子供でも、相続人全員で遺産の分け方等を決定しない限り、亡くなった親の預金を自由に下ろすことはできませんでした。

しかし、今年の7月1日から従来の法律が変更されて、預貯金のうち150万円以下の一定の金額が引き出せるようになりました。

例えば、相続人があなたと弟の2人のみであったところ、亡くなった親の預金口座には600万円があったとします。この場合は、あなたは、預金口座の3分の1の金額の200万円を基準にして、相続人2人で分け合った金額の100万円までならば、自由に預金を引き出すことができるようになりました。

注意点としては、この一定額の預金を引き出して、亡くなった親の医療費や固定資産税を支払う場合です。

多くの方は、亡くなった親のために預金を出して使ったに過ぎないと思われるかもしれませんが、このような場合であっても、預金を引き出した人が、その引き出した遺産を自らの利益のために取得したとみなされ、最終的に取得する遺産が減少する可能性があります。より詳しいことをお聞きしたい場合は、弁護士等の専門家へご相談ください。

遺言で遺産を取得したとき何か手続きが必要ですか

2019/6/13

遺言により、法定の相続分よりも多くの遺産を取得することもありますが、そのような場合では、一定の手続きをしなければ、せっかく得た遺産を失うこともありますので、その対策方法をお伝えします。

例えば、あなたと他の御兄弟が親の遺産を相続した際に、遺言により、あなたの方が多くの土地や建物を取得した場合があるとします。この時、あなたの御兄弟に対して、お金を貸していた人が、あなたの取得した遺産に対しても裁判所を使って差し押さえをしてきたとします。

相続法が改正される前においては、遺言書の内容によっては、特に手続きをしなくても差押えを受けない場合がありましたが、現在は、不動産の場合は、法務局での登記手続を行わなければ、せっかく取得した土地や建物等の遺産を差し押さえられることになります。そのため、遺言により法定の相続分より多くの土地や建物を取得した場合は、速やかな登記手続が不可欠です。

この外、ご両親が他の人にお金を貸していた場合や、高価な宝石等を所有していた場合等も、権利確保の為に必要な手続きがありますので、詳しいことは弁護士等の法律の専門家へご相談ください。

遺言書はどのように作れば良いですか

2019/5/14

遺言書の作成方法は主に3つあり、自分一人で作る自筆証書遺言、公証人に作成してもらう公正証書遺言、内容を他人に知らせないで作成する秘密証書遺言があります。

この中で一番簡単なのが、自筆証書遺言で、遺言書の内容、日付、氏名を全て自ら手書きして押印することで遺言書が作れます。

この遺言は、誰でも簡単に作れますが、以前の民法では、多くの遺産があった場合に、その財産の一つ一つを分けて相続させる場合等には、その財産を全て書き出す必要があり、非常に面倒でした。

しかし、近時民法が改正されたことで、今年の1月13日から財産の一覧を表す財産目録についてはパソコン等により作成することができるようになり、不動産の登記事項証明書や、預貯金通帳のコピー等も利用することもできるようになりました。

このように最近の法律改正で、より遺言書が作りやすくなりましたが、自署していない部分には、そのページごとに署名押印する必要がある等の注意点もあります。

その為、細かく内容を決めて間違いのない遺言を作りたいと考えられる方は、作成前に一度弁護士等の法律の専門家へ相談することをお勧めします。

夫が亡くなった際に、妻は変わらない生活ができるのでしょうか

2019/4/16

夫が亡くなった際、妻の生活を変えない為には、夫の財産が必要です。

例えば夫婦の財産として二千万円の建物と二千万円の預貯金が存在し、これらが夫名義で全て管理されていた場合、夫が亡くなり子との間で遺産争いになれば、遺産分割の結果によって、妻は、建物か預貯金どちらかを選ばなければならない事態になり得ます。

このような事態になれば、いままでの生活を続けることは困難です。このような結論は、これまではやむを得ないとされていましたが、昨年の相続法改正により、配偶者居住権という権利が認められました。

この配偶者居住権とは、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。

この権利のポイントは、建物に住み続けても、建物について居住権の価値分だけ相続することが可能で、先ほどの例で、居住権として一千万円、預貯金一千万円を相続するという選択が可能となった点があります。

なお、このような権利は2020年4月1日以降の相続から認められます。更に詳しく知りたい方は弁護士等の専門家にご相談ください。

被災者生活再建支援金だけでは足りません

2019/3/14

これまで大きな災害が発生した際の金銭的支援制度として、被災者生活再建支援金等を紹介しましたが、今回は、その他の支援制度についても紹介します。

まず、災害援護資金貸付という制度では、原則として無利子で、350万円以下の金銭を借りることができます。また、生活福祉資金という制度では、無利子又は低利子で災害による臨時の必要経費として150万円までの金銭を借りられ、また、緊急小口資金として無利子で10万円まで借りることができます。

金銭をもらえる支援制度としては、応急修理があります。この制度は、原則として、災害により住居が半壊以上の被害を受けており、修理した住宅での生活が可能となる場合等に、54万7千円以下の援助を受けて自宅を修理することができます。なお、この制度を利用すると応急仮設住宅を利用できなくなる恐れがあり、また、細かな運用は市町村によって異なる場合もあるのでご注意ください。

今回紹介した制度は代表的なものであり、その他にも各自治体等による細かな支援制度が存在する場合もありますので、詳細は各自治体の窓口や弁護士等の専門家へご相談ください。

 

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。