郡上八幡城下町花火大会復活プロジェクト(第1回)
2026/7/14
このコーナーはこれまで郡上市に住む皆様に身近な法律知識を提供させていただいていますが、今回から、私が業務外で取り組んできた郡上八幡城下町花火大会の復活に向けた取組を紹介させていただきます。
これまで私は、様々な人にご相談させていただき花火大会復活に向けた活動を続けてきました。令和4年4月頃から調査を行い、この4年間の情報整理等の結果、ある程度開催の目処が立ったことから、令和8年7月の開催に向けて、郡上市や自治会連合会八幡支部の皆様に、今年の開催に向けての予告や協力依頼を行い、最終調整を行っておりました。
その為、中には今年の花火の打ち上げを期待した人もいらっしゃるかと思いますが、現状、消防関係者の協力が得られず、今年は城山での花火を断念せざるを得ないこととなりました。
この取組については、地域の皆さん全員の賛同が得られるとは限りませんが、この取組を続ける中で、私を含めこれまで過去の花火大会を見てきた人々が、何故花火の打ち上げが出来なくなり、現状、復活が困難となっているかを知ることは重要ではないかと考え、これから連載形式で紹介させていただきます。
契約書が濡れてしまいました。
大事な契約については書面にすることが重要ですが、時折、折角作った契約書を、コーヒーをこぼして汚してしまったり、雨で濡らしてしまったりすることがあります。
このように契約書を、濡らしたり等してしまった場合、契約内容に影響を与えてしまうのではないかと心配される人もいるかもしれませんが、契約書に記載された内容が読み取れれば特に問題はありません。
そもそも契約とは、約束した人と人との意思の合致(合意)が重要であり、契約書という書面がなくても合意さえあれば契約は成立しています。
ただし、その契約の内容について争いが発生した場合に、裁判所に対してどのような合意があったかを示す為には、合意内容を証明しなければならず、その為には合意内容を記載した契約書があるかどうかが重要になります。
その為、仮に契約書を濡らしたりしてしまっても、乾かして契約書の内容が読み取れるのであれば、契約書の証拠としての価値が失われるようなことはありません。
また、仮に一部が破れて読めなくても、残った読める部分やコピーなどから合意した内容が証明できれば、裁判所によって契約内容が認められます。
自分の親族以外に、相続させたいです。
相続とは、人が亡くなった際に、その者の法律上の地位を別の人に引き継がせることを意味しますが、多くの人は、「亡くなった人の財産を引き継ぐ」という理解をしているかと思います。
この相続については、民法によって誰が相続するかが定められており、配偶者、子、孫、父母、祖父母、兄弟姉妹といった親族が相続人になります。
ただし、このような民法上の定めは、あくまで亡くなった人が、誰に財産を相続させるかを決めないで亡くなった場合の定めであり、亡くなった人が亡くなる前に、誰がどの財産をどの程度相続するかを決めておけば、その決めた内容に従って相続させることが出来ます。
このように事前に相続の内容を決めたものが遺言であり、遺言書を法律に定める形式に従って作成すれば、親族以外にも相続させることは可能です。
このような遺言書は、自分が決めた内容を書面にするだけで作成可能で、相続させる相手が内容を知らなくても遺言を残すことが出来ます。但し、法律の定めを守らず日付が抜けた遺言書を作った為に、遺言が無効になる等のトラブルもあるため、作成の際は弁護士等に相談することをお勧めします。
野良ネコが家の物を壊しました。
近隣に住む動物が、家にある物を取ったり、壊したりすることは決して珍しいことはありませんが、この時、その動物が人に飼われているのか、野生の動物かで、損害の賠償を求められるかどうかが変わってきます。
人に飼われている動物が、他人に損害を与えた場合は、その動物の飼い主は、動物の種類や性質に応じた相当の注意に基づく管理を行っていないと、動物が他人に加えた損害を賠償する責任があることは、民法で定められており、飼い主は、飼っている動物が他人に損害を与えないように注意が必要です。
一方で、誰にも飼われていない状態の野良ネコなどが、損害を発生させた場合は、そのネコによる損害は誰の責任でもないため、被害にあった人は、第三者に損害賠償を求めることは出来ません。これは山から下りてきたサルが畑の野菜を取るような場合も同じであり、自然災害による損害と同様に考えれば理解しやすいかと思います。
気づいたら家にあった物が動物に壊されたりしていることを発見した際は、その動物が誰かに飼われているのか、野生の動物かを確認いただき、飼われている動物の際は、弁護士にご相談下さい。
政治家の批判をしても良いですか
前回、他人の悪口を言いふらすことは名誉毀損となりうることを紹介しました。しかし、日々目にするニュースなどでは、人の社会的評価が害される内容もあり、特に政治家に関しては、本人が知られたくないことが報じられ、それを理由に処罰されることはあまり目にしません。
これは、人の社会的評価を害する行為であったとしても、一般的に「事実の公共性」と「目的の公益性」が認められ、「真実の証明」があったと認められた場合には名誉棄損罪により罰しないとされ、特に公務員や選挙に立つ候補者については真実の証明があれば罰しないとされているからです。
しかも、実際に真実ではない場合であっても、真実と勘違いしたことについて、確実な資料・根拠に照らして相当の理由があると認められた場合にも、名誉棄損罪が成立しないとされています。
これは真実であるにもかかわらず、政治家の悪事等を報道出来ないとなれば民主主義社会の健全な形成が阻害されかねず、言論・表現の自由を守るために一定の例外を認める必要があるからです。
その為、政治家に対する批判は、真実に基づくのであれば行っても問題ないことになります。
近所の人の悪口を言いふらしても良いですか。
「人の口に戸は立てられぬ」という言葉があるように、人によっては他人の噂話が好きな人がおり、時には、良かれと思って他人の話を周囲にする人もいます。この時、良い噂話ならまだしも、悪口と分かって、人の失敗を多くの人に伝え歩く人もいます。
ここで注意する必要があるのは、その話の内容が、人の名誉を毀損する名誉毀損と評価される場合は、刑法により3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処されることです。
名誉毀損行為とは、人の社会的評価を害するに足りる行為であればよく、名誉が現実に害されることは必要がないため、人の社会的評価を害すると考えられる内容を他人に話せば名誉毀損罪という犯罪になり得ます。
ただし、名誉毀損罪と評価されるには「公然と事実を摘示」する必要があり、具体的な事実を不特定又は多数人に伝える必要があります。なお、伝える相手が特定の少数人であっても伝播して間接的に不特定多数人が認識できる場合も「公然」と評価できるため悪評を広めるために数名に伝える場合も名誉毀損罪になり得ます。
単なる世間話が、犯罪と評価されないように人の悪口は慎むのが良いと考えます。
急病で動けなくなったらどうしたら良いですか。
2026/1/1
前日まで元気な人が、突然の病気で寝たきりになることは、珍しいことではありません。そのような事態になると、倒れた本人の家族や関係者は、どうしたらよいのかと悩まれるかと思います。
特に、その人の財産で生活する家族は、明日の生活の為にも倒れた本人に代わって財産管理を行わなければなりませんが、銀行預金等は、本人が手続きを行わなければならず、仮に家族とはいえ勝手に預金を引き出すことは本来出来ません。なお、非常事態の状況に応じて銀行等の金融機関が、例外的な対応を行う可能性はあり得ますが、各金融機関の判断によるところです。
その為、急病により本人が動けなくなった際は、先ずは本人が意識を回復するのを待つ必要がありますが、仮に意識が戻らない状況が長期間続く際は、本人に代わって財産管理を行う成年後見人を選任する必要があります。
通常の成年後見人の選任には、申立から成年後見人の選任まで時間を要しますが、時間がない場合は、保全処分という手続きにより、通常の手続きよりも迅速に選任する方法もあります。その為、このような緊急事態で困った際は、弁護士等の法律家にご相談下さい。
破産をすればどんな債務も無くすことは出来ますか。
事業の失敗などで自分自身ではどうすることも出来ない借金を背負ってしまった際に、人生をやり直す方法として破産という方法があります。
破産という手続きについては、以前のコラムでも紹介しましたが、その人が持っている財産を整理した後、残った借金の支払いを免除する免責という手続があり、これにより借金の無い状況から生活をやり直すことが出来ます。
ただし、この免責という制度は、全ての債務を免除するとは限らず、政策的な理由から一部の債務は免責が出来ないとされています。
例えば、暴走運転で引き起こした損害賠償債務のように故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償債務は、免責が出来ないとされており、養育費の支払債務なども、免責が出来ない債務の一つとされています。
そのため、長年、養育費の支払いを怠り、ある日突然、多額の養育費を請求された場合、仮にその時点で収入があまりなくても、破産によっては支払いを免れることが出来ません。このような免責が認められない債務については、負債の額を貯めていかないように毎月キチンと支払う事が重要です。
労働中の交通事故の場合、労災保険は使うべきですか。
労働者が労働中に車での事故を起こし怪我をした場合、相手方の車や自分の車の自動車保険があれば、自動車保険で治療費を支払ってもらうことが出来るだけでなく、労働中の事故ということで、労災保険で治療費を負担してもらうことも可能です。
自動車保険も労災保険もどちらも保険であることには変わりがなく、治療費も支払われるため、怪我をした人からすれば、治療費が全額払ってもらえるのであれば、どの保険を使っても同じと考えるかもしれません。
しかし、自動車保険は、事故の責任の内容に応じて損害を賠償するための保険ですが、労災保険は、労働者を保護するための保険という点で大きな違いがあり、労働者に手厚い面があります。
例えば、事故を発生させた原因が労働者側にあり、労働者側の過失が認められる場合には、労災保険では治療費が全額支給されるのに対し、自動車保険の場合、過失の程度で治療費が十分払われない可能性があります。
また、労災保険は、労働者の保護を考えて支給される特別支給金が存在するなど、労働者に有利な点があるため、労災保険が活用できる場合は、労災保険の活用を検討するのが重要です。
知らない通知は、無視していいですか。
2025/10/3
身に覚えのない電子メールが届いた際は、添付の画像やURLをクリックするとウイルスに感染し、時にはデータを奪われることもあるため、多くの人は、メールを開けることなく無視していると思います。身に覚えのない電子メールは、詐欺メールであることが多く、このようなメールは、取り合わず無視するという対応で、基本的には問題ありません。
しかし、実際に届く郵便については注意が必要で、特に、裁判所からの郵便を無視することは危険です。裁判所からの郵便が自宅に届いている場合、裁判等の法的手続きが進行していることが多く、そのまま無視し続けると、例え、根拠のない請求でも、知らないうちに裁判に負けてしまい、その結果を覆すことができなくなってしまいます。
もっとも、裁判所等の公的機関を名乗る郵便であっても、詐欺の郵便である可能性もあり得ます。裁判所からの郵便かどうかについて不審に思ったら、裁判所のホームページ等で、実際の裁判所の住所を確認し、裁判所に電話をして本当に裁判所から送られたものなのか確認してください。裁判所からの郵便で間違いないときは、至急弁護士にご相談ください。