親族がいない人が亡くなった場合、財産はどうなりますか。

親族がいない人が亡くなった場合、財産はどうなりますか。

2022/12/23

 近年、一人で生活する人がそのままお亡くなりになる孤独死が社会問題として取りあげられることがあります。このような孤独死に関連して問題となるものに、その人が亡くなった後の財産問題があります。
 人が亡くなった場合、その財産は子・親・兄弟姉妹の順で親族に受け継がれることが民法上の原則ですが、時に、子がおらず、親兄弟もいないケースがあり、このような場合は、相続人がいないこととなり、誰も亡くなった人の財産を管理しない状況になります。
このような状況になると、亡くなった人と生前契約していた人が、必要な代金を支払ってもらえなかったり、その人が持っている不動産を、誰かが利用したくても利用できないという問題が発生したりします。
 そこで民法においては、相続人がいない場合に、その財産を管理する相続財産管理人という制度を用意しています。
 この相続財産管理人は、相続人のいない相続財産を管理し、売却する等して財産を整理し、負債を支払い、最終的には財産を国に帰属させます。相続人がいない財産でお困りの際は、このような相続財産管理人の制度を利用できないか等を弁護士にご相談ください。

相続放棄はいつまでにすれば良いですか。

 11月15日は、良い遺言の日(11・イイ/15・イゴンの語呂合わせから決められたそうです。)ということで、その日は、遺言相談会に参加された人もいるかと思います。
 遺言は、財産を残す側としては、希望に添った相続をしてもらう為に是非とも必要です。しかし、一方で、受け取る側からは、様々な事情を考慮して、相続財産の受け取りを拒否したいと考えることがあります。
 特定の財産を渡す内容の遺言については、受け取りを拒否するだけで大丈夫ですが、全ての相続財産を相続させる旨の包括遺贈の場合や、遺言がない通常の相続の場合は、家庭裁判所において相続放棄の手続を取らないと、借金も含めた相続財産が相続されます。
 この相続放棄の手続は、自分の為に相続があったことを知ったときから3ヵ月以内に行う必要があります。3ヵ月では相続すべきかが判断できない場合は、家庭裁判所に申し立てて、期間を伸ばすことも可能です。
 突然の不幸により、相続財産がどの程度か分からず、預金もあるけど場合によっては借金が多いかもしれない場合は、この期間を伸ばす手続を使って冷静に判断する時間を確保することも重要です。

自転車の為に新しい保険加入が必要ですか。

 前回のコラムで、令和4年10月1日から自転車の運転に関し保険加入が義務化されたことを紹介しました。このような情報を見ると、新しい保険に加入しなければならないと思われる人も多いかもしれません。
 しかし、実は自転車の損害賠償責任保険に新たに加入しなくても、既に加入している自動車保険、火災保険、傷害保険の中に、特約として「日常生活賠償特約」や「個人賠償責任補償特約」が付いていれば、自転車事故も日常生活上の事故として補償されていることがあります。
 この場合は、従来加入していた保険によって自転車事故の損害賠償責任保険への加入が出来ていることになりますので、新たに保険に加入する必要がありません。
 ただし、ここで注意しなければならないのは、このような特約は、契約している保険の内容によって異なるということです。特約については、正確に把握しないまま加入している人もいる為、内容の確認が重要です。
 特約の対象となる人が契約者以外の家族等も含まれるのか、どのくらいの金額まで補償されるのか、業務上で使用する場合も補償するのか等、具体的な場面を前提に保険内容をご確認下さい。

自転車の運転に保険加入は必要ですか。

2022/10/15

 自動車の運転をする人は、自動車賠償責任保険法に基づき、自賠責保険への加入が義務づけられています。
 これは自動車による事故が、人の生命身体に対する重大な損害を与える為、保険制度により最低限の損害賠償を保障しようとした結果です。
 この自賠責保険は、自動車を対象としており、運転手が自分の足で運転する自転車は含まれておらず、自転車はこれまで保険加入は義務づけられておりませんでした。
 しかし、いくら人力で運転する自転車であっても、そのスピードやぶつかった相手によっては、自転車の運転手だけでなく、その相手方に大きな損害を与えることがあります。
 実際の事例でも、小学生の運転する自転車が、高齢の女性とぶつかり、9500万円の損害賠償が認められた事例が存在します。
 このような時に、保険に加入していれば、保険会社が損害賠償を代わりに行ってくれますが、自転車については保険に加入していないケースもあり注意が必要です。
 その為、近年、各地方自治体の条例で、自転車の賠償責任保険への加入を義務づけ始めており、岐阜県でもこの令和4年10月1日より、保険加入が義務づけられています。

賃貸借の保証人はどれだけの責任を負いますか。

 アパートの賃貸借契約においては、賃料が未払になった時に備えて、大家さんが保証人を求めることが一般的です。
 賃貸借契約における保証人は、賃貸物件の借主が負う賃料支払債務等について、借主が返済できない時に、代わりに支払いを行う立場の者であり、借主が自分で退居できなかったときの退居費用等についても責任を負います。
 その為、賃貸借契約の保証人は、賃貸借契約締結時は、いくらの債務を保証するか明確でなく、場合によって1年分以上の賃料を保証することにもなりかねません。
 このように一定の継続的な契約関係から生じる将来的な債務も保証する契約を、根保証契約と呼び、かつては一旦契約すると全ての債務を保証することが想定されていました。
 しかし、近時の民法改正により2020年4月1日以降の個人が保証人となる根保証契約については、契約当初に保証する限度額を契約書に明記しないと、保証債務が発生しないことになりました。
 その為、賃貸借契約の保証人になる際には、契約書に明記されている限度額を確認することが重要であり、大家さんとしては、適切な極度額を定めておくことが必要となります。

無料と聞いていたのに代金を請求されて困ってます。

 近年、無料と信じて契約申込みをしたのに、いつの間にか有料になり代金を請求されて困ったという事例があります。
 このような事例は、特に、定期料金を支払うことにより、一定期間サービスを利用できるというサブスクリプションサービスを利用した際に生じやすいトラブルかと思います。
 このようなトラブルは、契約申込の際の説明に、有料になることが明確に説明してあるにも関わらず、契約内容を確認しないまま契約したというケースも中にはあります。
 しかし、時には、そのような契約内容を確認しない消費者の心理に付け込み、当初のサービスの紹介では、全て無料のような宣伝文句を並べ、契約内容には、一定期間経過後有料になることが分かりづらく記載されているような事例もあります。
 このような事例の場合、契約の経緯や内容にもよりますが、特定商取引法、消費者契約法、民法に定める詐欺、錯誤等の様々な理由による契約解除や、時には契約がそもそも成立していないという主張が可能な場合も考えられます。
 特に高額な代金が請求された場合は、悪質なケースである可能性がありますので、お近くの弁護士にご相談下さい。

被害弁償すれば処罰はされませんか。

2022/7/12

 最近話題となった持続化給付金の不正受給による詐欺事件は、様々な人が本来もらえるはずのない給付金を取得したことで、詐欺罪に問われ逮捕、起訴されています。
 このような詐欺だけでなく、世間には様々な犯罪が存在しており、警察庁が発表した2021年の刑法犯の認知件数(警察が犯罪の発生を認知した件数)は、56万件を超えています。
犯罪が警察に認知され捜査が行われる時になって、実際に犯罪を行ってしまった人が、反省し被害弁償を行うことがあります。
 この時、被害者が被害弁償によって許してくれた場合、多くの場合は、被害者が許してくれたことをもって処罰の必要性がないとして処罰されずに終了することになりますが、処罰されるかどうかは、犯罪の内容等によって異なります。
 仮に被害弁償を行ったとしても、それまで何度も同じような犯罪を繰り返していた場合や、その犯行内容の悪質性等、様々な事情が考慮されて処罰されるかどうかが決まります。
 その為、安易に被害弁償しさえすれば許されると考えるのは妥当ではなく、万が一犯罪を行ってしまった場合は、どのように対応すべきかを弁護士にご相談下さい。

人身傷害補償特約とは何ですか。

2022/6/11

自動車保険の契約内容には、様々な特約があり、その一つに人身傷害補償特約というものがあります。この特約は、運転者や同乗者が事故により死傷した場合に、治療費・休業損害・精神的損害(慰謝料)・逸失利益などの実際の損害に対して、約款の損害額基準に従い保険金額を限度に保険金が支払われるというものです。
この特約の特徴は、交通事故における過失割合とは無関係に保険金が支払われる点にあります。
仮に、事故で1000万円の損害を負い、事故を起こした過失が4割あった場合、人身傷害補償特約がなければ、自身が受け取れる相手からの賠償は4割減の600万円だけですが、人身傷害補償特約があれば、減るはずだった4割が補われ、本来の1000万円全額を確保できます。
人身傷害補償特約の内容は保険契約次第であり、上記のような結果となるかは特約の内容を確認する必要がありますが、時折自身の特約を十分に理解していない為に、適切な保険金を受け取れていない方もいらっしゃいます。
その為、事故に遭った際は相手方に請求するだけでなく自身の保険の特約の内容を保険会社にしっかり確認することも重要です。

自動車保険の弁護士費用特約とは何ですか。

2022/5/10

自動車保険の契約内容には、様々な特約があります。特約の中には、自動車事故による損害請求の為の弁護士費用を保険会社が補償する弁護士費用特約が存在します。
自動車事故においては、保険会社が、損害を支払う際に契約者に代わって交渉を行うことが多く、常に弁護士に頼まなければいけないわけではありませんが、一方の過失しか存在しない、もらい事故のようなケースにおいては、過失のない被害者は、保険会社に示談代行を頼めず、自ら相手方と交渉しなければなりません。
このような場合に、損害の請求を第三者に頼むには弁護士を利用することになりますが、請求金額が小さなケースでは、弁護士費用の方が請求金額より多くなることがあり、請求金額が大きなケースでも、その分、弁護士費用の負担が大きくなってしまいます。
その為、弁護士費用を気にしてしまい弁護士を利用しないまま相手方の不合理な主張を渋々受け入れるという事も事案によってはあり得るところです。
しかし、弁護士費用特約を付けておけば、紛争となった際に法律の専門家に費用を気にせず相談ができ、訴訟等で納得の出来る解決が得られやすくなります。

自動車保険とは何ですか。

2022/4/12

 4月に入り、新生活を始める人も多いと思いますが、中には自動車の運転を始める人もいるかと思います。自動車を運転する人の誰しもが意識するのが自動車保険です。
 自動車保険は、万が一事故を起こしても、自動車の運転により相手に与えてしまった損害を保険会社が代わりに支払ってくれるというもので、運転を始めたばかりの人も、長年運転している人も、事故に備えて契約する必要不可欠なものです。
 特に自動車については、法律で自動車を利用する際に必ず契約が必要とされる自賠責保険が存在し、自動車の購入の際等には、この自賠責保険を契約することになります。
 ただし、この自賠責保険は、法律で定める最低限の契約であり、事故の相手が負った損害の全てを支払ってくれるものではなく、大きな事故になってしまった場合は、十分な金額が支払われません。
 そこで多くの人は、自賠責保険に加えて各保険会社が提供する任意保険と呼ばれる保険も更に契約し、大きな事故になっても事故の相手等にお金が払えるように備えています。
 この任意保険については、様々な内容がありますが、内容を正確に理解して契約することが重要です。

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。