災害で家族が亡くなった場合、何か支援が受けられますか
2019/2/14
災害救助法が適用されるような災害の場合であれば、遺族に対し災害弔慰金が支給される支援制度があります。この制度は、亡くなった家族が生活維持者であれば500万円を、それ以外の家族であれば250万円を支給するという制度です。支給される遺族の範囲は、配偶者(事実上の離婚の場合は除き、内縁者を含む)、子、父母、孫、祖父母、及び同居又は同一生計の兄弟姉妹となっています。もっとも、市町村によって支給される遺族の範囲や支給金額が増加していることもありますので、各市町村の窓口に問い合わせる必要があります。
また、災害による負傷等の悪化や避難所等における生活の肉体的・精神的疲労等から体調を崩し死亡した場合のように、災害に起因して亡くなったと判断される場合も、災害弔慰金が支給されます。
なお、災害と死亡との間に関連性が認められない場合は、市町村は不支給決定を行います。この場合、不支給決定を受けてから6カ月以内の取消訴訟を提起する対応等をしなければ、災害弔慰金を受給できなくなる可能性があります。そのような場合は早急に弁護士等の専門家へご相談ください。
家が被災したときに、どのような支援が受けられますか
2019/1/15
今回は、前回説明した応急仮設住宅以外の支援制度をお伝えします。
支援制度の中には、一定規模以上の自然災害により家に大きな被害を受けたとき、世帯に対し、最大300万円が支給される被災者生活再建支援金があります。
この制度は、①住宅の被害の程度に応じて50万円から100万円を支給する基礎支援金と②住宅の再建方法に応じて50万円から200万円を支給する加算支援金が受けられるというもので、支援金の使途に制限はありません。また、場合によっては③義捐金がこれらに加算され支給されることもあります。
なお、原則として、基礎支援金は災害発生日から13カ月以内、加算支援金は37カ月以内に申請しなければなりませんので、ご注意ください。
また、被災者生活再建支援金を受けるためには、災害の被害を受けたことを証明する「り災証明書」が必要になります。この「り災証明書」により認められた被害の程度によっては、支援金の額が大きく変わりますので、認められた被害の程度に納得がいかない場合や、くわしい支援制度の説明を聞きたい場合は、市役所や弁護士等の専門家へ相談することをお勧めします。
災害により住む場所がありません。どうすればよいですか
2018/12/14
災害救助法が適用されるような地震、水害や山崩れ等の大きな災害により家を失った場合において、一定の要件を満たせば、無償で応急仮設住宅に住むことができます。応急仮設住宅とは、被災者の一時的な居住の安定を図る目的で行政が供与する仮の住宅です。
応急仮設住宅を利用するための要件としては、①家が全焼、全壊又は流失しており、②居住する家がなく、③被災者の資力で住宅を確保できないことが必要となります。なお、応急仮設住宅は、被災地で住民登録をしていない人も利用できます。
応急仮設住宅は、プレハブ等の簡易な建物が多いのですが、仮設住宅が足らないなどの事情で、民間の賃借物件を仮設住宅として取り扱うこともあります。この民間の賃借物件を利用する場合も、敷金・礼金及び家賃は行政が負担してくれます。
もっとも、応急仮設住宅は、あくまで「応急」のものであり、原則として2年以内しか利用できません。そのため、応急仮設住宅に入居している時から行政等による支援を受けながら、今後の生活再建に備えるべきです。
その他の具体的な支援等については、早い時期から行政や弁護士等にご相談ください。
災害により、家を失いました。どのような支援が受けられますか
2018/11/13
最近は地震、大雨などの災害により、家屋に大きな被害が出ることも珍しくはありません。今回は、そのような事態に遭遇した際に備えて、万が一被災した場合の法的観点からの注意点についてご説明します。
被災者の方は、一定の条件を満たせば、各種支援金、税の減免、融資申請等の援助を受けられます。この際に、被災者の方は、市町村から「り災証明書」を発行してもらう必要があります。り災証明書とは、地震・水害等による家屋被害の程度(全損・大規模半壊・半壊・一部損壊)を証明するものをいいます。そのため、災害により家を失った人は、まずは、り災証明書を取得することが大切です。
そして、支援は、家屋被害の程度により大きな差が生じます。そのため、被災した建物の写真、映像等の証拠を得る前に、家を修繕してしまうと、実際の被害の程度よりも軽い被害しか認められず、その結果、本来、受けられる支援が得られなくなる恐れがあります。
そのため、災害で家屋に被害が生じた場合は、建物の中だけでなく、建物の周囲まで細かく写真を撮り、ビデオ等の動画で映像に残しておく必要がありますので、ご注意ください。
他人の借金を保証すると口約束をしました
2018/10/6
前回は、口約束であっても契約として有効であることを話しましたが、他人の借金を保証する旨を口約束した場合については、どうなるでしょうか。
民法上、原則として、口約束でも互いの合意があれば契約の成立を認めていますが、一定の契約等については、書面の作成が必要とされています。
他人の借金を保証する契約は、他人が借金を支払えなかった場合に、保証した人が代わりに借金を支払うというものです。このような保証契約は、以前は口約束のみで契約の成立を認めていましたが、安易に保証すると多額の借金を代わりに払うことになりかねない為、軽い気持ちで保証契約が成立することがないよう、法律が変わり保証契約は書面でなされる必要があると定められています。
その為、他人の借金を「保証する。」と口約束をしても、保証契約は成立せず他人の借金を支払う必要はありません。他方で、金銭を貸す場合に、保証人を求める時は、口頭ではなく、書面で契約しなければなりませんので注意が必要です。
仮に保証契約書を作成する際に、どのような文言にするべきか等について不安がある方は、弁護士等の専門家にご相談ください。
口約束だけで契約書がないのですが、大丈夫ですか?
2018/9/10
人から何か物を借りる際に、口約束をして契約書を作らないことはよくある話です。借りた物が食器であれば、あまりトラブルは起きませんが、時には畑を口約束だけで借りている事例も存在しトラブルになることがあります。
口約束であっても有効な契約であり、約束をした者同士でその内容を守らなければなりません。その為、期限までに返す約束があれば、例え口約束でも期限までに返さなければ契約違反となり、損害賠償を請求されます。
契約書とは、約束を文書化したものであり、契約内容を明確にし、後日の紛争に備え、裁判の時には重要な証拠となるものです。契約書を作らない場合のリスクは、契約内容が不明確となり、後日紛争となっても約束の内容を裁判所で証明することが出来ない点にあります。
その為、契約書がなくても、他の証拠などで互いの口約束の内容が確認出来れば、トラブルになっても裁判で勝つことができます。最近はICレコーダー等で録音された内容が裁判で証拠として活用されることも多いです。
ですが、このような録音記録が何時でも存在するとは限らず、紛争を防止する為にも契約書を作ることが重要です。
詐欺の葉書にご用心
2018/8/8
最近、「『訴訟最終告知通達センター』という所から『訴訟最終告知のお知らせ』と書いた葉書をもらったが、どうのようにしたらよいか。」との相談があります。
その葉書の内容を見ると、民事訴訟、訴状、差押え等の言葉が並んでいますが、請求者が誰で、どのような根拠で、いくら請求するかも分からず、「裁判取り下げなどのご相談」として、記載された電話番号に電話するよう誘導する内容となっております。
一般的に、弁護士から請求の相手方に対して、訴訟提起の予告をすることはありますが、その場合は、請求者名や弁護士名、どのような根拠で、いくらを請求するかを明確に記載することが通常で、請求の具体的な内容が記載されていない葉書等は、詐欺の可能性が極めて高いと考えられます。
その為、根拠不明や身に覚えのない内容で訴訟の予告を行う葉書等を受け取ったときは、決して書いてある連絡先に電話せず、一度、警察に相談したり、消費者ホットラインの「188」番に電話して相談してください。
相談の結果、詐欺と判明した場合はそのまま無視しても問題ないですが、不安な時は、弁護士等の専門家に御相談ください。
地震でブロック塀が壊れたら責任を負いますか?
2018/7/11
ブロック塀が、地震で倒壊し人に損害を与えても、自然災害ですから誰も責任を負わないと思われるかもしれません。
しかし、民法には、ブロック塀のような工作物が、何らかの原因で倒れ、人に損害を与えた場合には、土地工作物責任という責任を認め、工作物の所有者等に損害を賠償させることにしています。その為、ブロック塀の所有者は、この土地工作物責任により、地震により倒れた場合でも発生した損害を賠償することになります。
これは一見すると非常に重い責任と思われるかもしれませんが、ブロック塀のような工作物は、一度でも倒れた際には人の生命・身体に対する重大な損害を与える危険があるため、危険な物を所有する者には重い責任が法律で定められているのです。
なお、このような責任は震度7というようなあらゆる建物が壊れるような地震の場合にまで常に生じるものではなく、地震の規模と工作物が作られた時代等から、工作物としての通常の安全性が欠けていたかどうかで責任の有無が判断されます。
ご自身のブロック塀に不安のある方は、地震で人に損害を与えることになる前に早めの対策をしておくことが重要です。
児童虐待とは何ですか
2018/6/14
ニュースを見ていると児童虐待の悲惨な事件を知ることがあります。児童虐待というと児童に対する暴力をイメージする方が多いと思いますが、児童虐待は暴力だけとは限りません。
児童虐待については、「児童虐待の防止等に関する法律」に定義が書かれており、児童に対して暴力を行うような身体的虐待、わいせつな行為をする性的虐待、食事を与えないなどのネグレクト、児童の心に傷を与える心理的虐待の4種類があります。
この内の心理的虐待の具体例としては、児童の面前での配偶者に対する暴力行為があり、仮に児童に対しては直接暴力が振るわれていなかったとしても、夫婦間で暴力行為が行われ、その姿を児童が目撃しているときは、この心理的虐待となります。
このように児童虐待は直接の暴力のみが虐待とされるのではなく、児童の心に深い傷を与えるような行為も虐待とされます。
もし周りに虐待を受けていると思われる児童に気付いた場合や、虐待ではないかと思ったときは、児童虐待の通告・相談の為の専用相談電話である「189」に電話をすれば、児童虐待について専門的な知識を有する児童相談所に匿名で相談できます。
取引先が商品の代金を支払ってくれません(4)
2018/5/14
前回までは、未払代金の請求の方法について紹介させていただきましたが、相手方に裁判を起こし勝訴したとしても、相手方が無一文であれば、現実に支払いを受けることは難しく、場合によっては、相手方が破産をする可能性もあります。
お金を十分に有している人であれば、多くの場合、裁判しなくても代金を支払いますし、逆に支払わない時点でお金がないことを示していると評価できます。
代金の回収で一番重要なことは、相手方が資産を有しているかどうかであり、資産を十分有しない人との間では、商品の受け渡しと同時に代金を受け取ることが何よりも重要です。
ですが、中には長年の取引があるものの最近は支払いが滞りがちという人から、大量の商品の注文を受ける場合があります。この場合、そのまま商品を渡しては、代金が支払われない危険があります。
そのような危険に備える一番の方法は、担保をつけることです。担保の内容としては保証人をつける人的担保と不動産に抵当権をつける等の物的担保というものがあります。
担保契約には様々ありますので、大きな取引の前に担保を考える際は弁護士等の法律家に御相談ください。