離婚における年金分割ってどういうものですか
2013/12/14
前回に続き「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
年金は、その人が働いてきた賃金を基に決まる保険料を納付し、その納付した保険料に応じて将来の年金額が定まります。その為、夫婦それぞれの年金額はそれぞれの納付した保険料に従って決まることとなりますが、その場合、専業主婦(夫)として家事を行ってきた側は厚生年金や共済年金の保険料を納めていない為、将来の年金額が低くなってしまいます。
その為、長年結婚生活を共に送り互いに支え合って生活してきた結果一方が外で働くことが出来てきたにもかかわらず、離婚すると一方は老後に多額の年金がもらえて、一方が少ない年金しかもらえないのでは不公平な結果となります。
そこで、そのような不公平がないようにするために厚生年金保険や共済年金については、離婚の際に保険料の納付実績を分割することが出来るとされています。これが年金分割という制度です。
年金分割の方法としては、夫婦が合意によって行う合意分割の方法や、一定の部分については請求するだけで自動的に分割できる制度などがありますが、いずれも離婚から2年以内に請求する必要がありますので、離婚の際は忘れずに検討する必要があります。
離婚するときに相手に慰謝料を請求できますか
2013/11/13
前回に続き「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
離婚の原因が、性格の不一致にある場合には慰謝料の問題が生じることは少ないですが、原因が不貞や暴力にある場合には離婚時の慰謝料が問題になることが多々あります。
どのような場合に慰謝料が請求できるかは、ハッキリとした基準はありませんが、判例では、「相手方の有責行為によって、やむを得ず離婚に至った場合、これによって被る精神的苦痛を慰謝する慰謝料の請求が認められる。」とされており、離婚裁判では様々な理由から慰謝料の請求がなされます。
慰謝料が認められる原因としては、不貞や暴力が一般的ですが、それ以外の行為でも生活費の不払いなど離婚を作り出した原因となる行為が一方のみにある場合には、他の要素等を考慮して慰謝料が認められることがあります。
なお、不貞を理由とする慰謝料請求で注意すべきは、慰謝料が全体で300万円と仮定した場合、不貞をした夫又は妻から300万円貰えば、不貞相手から更に300万円をもらうことは出来ないということです。
一方から慰謝料の支払を受けると、他方の慰謝料も支払われたことになりますので、話し合いの際にはこの点に注意することが必要です。
離婚をしたら二人で買った家はどうなりますか
2013/10/15
前回に続き「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
離婚の際には、夫婦が婚姻中に築きあげてきた財産を清算する為、相手方に夫婦の共有財産を分けるよう請求することが出来ます。これを財産分与といいますが、この財産分与は離婚時か、離婚してから2年間は請求することが出来ます。
この財産分与の対象となる夫婦の共有財産かどうかは、婚姻期間中に取得した財産であれば夫婦共有財産と推定され、登記等の対外的な名義のみでは決まりません。その為、婚姻中に買った家であれば例え夫名義であっても、妻からは家を夫婦共有財産として財産分与を求めれば二人で権利を分ける事になります。
財産分与は、最初は話し合いで行いますが、話し合いで解決出来ないときには、裁判所に調停を申立て、調停で決着がつかないときは裁判所が判断をします。
財産分与は、財産の清算、離婚後の扶養、離婚に伴う損害賠償という3つの意味合いを含んでいますが、裁判所が判断すれば、多くの場合夫婦の共有財産は半分になるだけです。
家であれば名義を半分にすることになりますが、名義を分けると売却等は難しく、ローンの支払いも考慮することも必要ですから話し合いで解決するのが妥当です。
別れた相手が子どもに会わせてくれません
2013/10/14
前回に続き「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
離婚の際に夫婦の間に未成年の子がいる場合、一方の親を親権者と定め、その子は親権者となった親(以下「監護親」という)の監護の下で生活を送ることとなりますが、親権者とならなかった親(以下「非監護親」という)からすれば自分の子であることは変わらず、子に会いたいと思うのは当然のことです。
しかし、離婚の経緯等で感情的な理由から、監護親が子と非監護親が会うことを拒絶するケースはめずらしくありません。
子が非監護親と会うことを面会交流と言いますが、法は子の成長の観点から非監護親が面会交流を請求する権利を認めています。
その為、監護親が、感情的な理由で子が非監護親と会うことを拒絶しているときは、非監護親は、監護親の住む場所を管轄する家庭裁判所に調停を申立て、調停がまとまらない時は裁判所に審判をしてもらいます。
この際、非監護親の面会交流を認めるかどうかは、監護親の意向のみで判断されるものではなく、子の成長のために有益であるかどうかによって決めるべきとされている為、子に支障がなく子に悪影響を与えない限り、審判によって面会交流をすることが認められるのが一般的です。
別れた相手が養育費を払ってくれません
2013/8/11
前回に続き「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
離婚の際に夫婦の間に未成年の子がいる場合、親権者を定めることになります。親権者となった親は、その後一人で子どもを育てることとなりますが、親権者とならなかった親に対しては、子どもを監護する費用である養育費を請求することができます。
この養育費の額は、双方の協議によって決めることが基本となりますが、協議に応じないときは家庭裁判所に調停の申立をし、調停で話しがまとまらない際は、裁判所が双方の収入を基準として一定額の支払いを命じる審判を下します。
相手方が養育費を支払ってくれない際、まだ家庭裁判所で調停手続を利用していないときは、まず調停手続を利用し、支払の合意を調停調書にするか、裁判所に審判を下してもらうと相手方が任意に支払ってくれることが期待できます。
このような手続で調停調書や審判書があるにも関わらず、相手方が支払をしないときは、家庭裁判所を通じて、相手方に養育費を支払うよう勧告や命令をしてもらう方法もありますが、多くの場合は、相手方の預金や給与を差し押さえる強制執行を利用して回収することとなります。なお、養育費は相手方が破産しても請求可能です。
親権とはなんですか?
2013/7/15
今回も「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
離婚の際に夫婦の間に未成年の子がいる場合、どちらが親権を取るかで揉めることは多々ありますが、「親権」について正確な理解をされている人は意外と少ないと思われます。
親権とは、未成年の子に対して監護教育する権利と財産を管理する権利の二つを意味しますが、それ以上の権利はありません。
親権がなくなると「親ではなくなる」と思われる方が多いのですが、親権は「親である権利」という意味はないので、親権がなくなっても子にとって親であることには変わりありません。
むしろ、親権者は子を監護教育する義務を同時に負っていますから、自らが監護教育する子が他人に怪我をさせるなどした場合、親権者がその責任を取ることもあります。
その為、離婚時に親権者がいずれであるかを定める際には、未成年の子の今後の監護教育と財産管理にあたってどちらが適任かという観点から考える必要があるのと同時に、その子が成人になるまでの監護教育の義務も考えておく必要があります。
また、親権は未成年の子の利益を守るために行使されるべき権利ですから、離婚裁判の時には裁判所は子の利益を基準に親権者を定めています。
離婚の際に決めておくべきことはありますか?
2013/6/16
今回からは「離婚」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
結婚当初は夢にも思わなかった夫婦間のトラブルが原因となり、残念ながら離婚に至るケースは少なくはありません。
夫婦の離婚は、その子どもや他の親族にも多大な影響を与える為、出来れば避けたいところではありますが、やむなく離婚をするとなった場合にはいくつか決めておくべきことがあります。
まず、夫婦間に未成年の子どもがいる場合は、離婚後どちらが親権者となるかを決める必要があります。親権者を決めないと離婚届は受理されませんので必ず決めておかねばなりません。
その他、法律上離婚の際に決めておくべき事柄として、子どもの養育費の分担方法、子どもと会う面会交流の方法を決める必要があります。また、離婚に伴う問題として、夫婦間の財産を分割する財産分与の問題、離婚原因を作り出した側が支払うべき慰謝料の問題、厚生年金・共済年金に関する年金分割の問題についても決めておくと良いと思われます。
結婚で氏が変わった方は、離婚によって当然に前の氏に戻る為、離婚後も結婚中の氏を利用する際には離婚後3か月以内の届出が必要であり、婚姻中の氏を名乗るのかを決めておく必要があります。
折角作った遺言をどのように保管したら良いですか?
2013/5/15
前回に続き、「相続」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
前回は遺言が見つかったときの手続を御紹介しましたが、遺言の内容に従った財産の処分がなされるかどうかは、実際のところ残された遺族に委ねられることが多く、中には遺言書を先に見つけた遺族の一人が、勝手に破って捨ててしまうなんてこともあります。
このような遺言書の破棄という行為は、破棄した者が相続人となる権利を失う行為であり絶対に行ってはならない行為ですが、そのような行為を実際に防ぐには遺言書を書いた本人では不可能であり、第三者に任せるしかありません。
その為、遺言書を作成した際には、信頼できる親族、知り合いまたは法律家に遺言書の存在を事前に知らせ、もしもの時は遺言書の内容を実現してもらうよう依頼しておくことが重要となります。この際、遺言書の内容として、遺言書を預ける相手を遺言執行者と定めておけば、保管だけでなくその者が遺言内容を実現することが出来ます。
なお、公正証書遺言の場合、作成した公証人役場において公正証書遺言の原本は保管されており、万が一他の相続人によって手元の公正証書遺言が破棄されても、公証人役場に申請すれば謄本を取得することが出来ます。
亡くなった父の遺言書が見つかりましたどうしたら良いですか?
2013/4/15
前回に続き、「相続」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
これまで遺言のことを御紹介しましたが、今回は遺言書が見つかった後の手続のことを簡単に御紹介します。
まず、見つかった遺言書が公正証書遺言以外である場合は、亡くなった方の住所に近い家庭裁判所に対して検認の手続を申し立てる必要があります。
検認が終了すれば、その遺言書を利用してその内容に従った財産処分をします。預金等については、遺言書を持って対象の金融機関に行き所定の手続を行うことで名義変更等が出来ます。また、土地建物の名義については、遺言を持って法務局に行き相続登記手続を行えば、遺言に従って名義を変更することが可能です。
これらの手続においては遺言書がありさえすれば、他の相続人の同意は不要となるのが原則ですが、金融機関によっては他の相続人の同意を要求されることがありますし、遺言の内容によっては他の相続人の同意がない限り土地建物の名義が変更できないこともあります。
そのような時には、遺言の内容を実現する遺言執行者を選任する等の対策を講じる必要があります。
これらの詳しい手続については手続を行う機関に問い合わせいただくか、お近くの法律家に御相談ください。
公正証書遺言について教えてください?
2013/3/15
前回に続き、「相続」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。
前回3つの主な遺言について紹介しましたが、今回はその中で一番確実な方法として紹介させていただいた公正証書遺言について御紹介します。
公正証書遺言とは、公証人役場において公証人によって公正証書の形で作成してもらう遺言のことです。公正証書遺言の主なメリットとしては、公証人という法律の専門家が関与して遺言が作成される為、遺言の有効性に関する争いが比較的少なくなるということが挙げられます。その為、確実に有効な遺言を残したいと考えられる方には、この方式の遺言をお勧めしています。
ちなみに、公正証書遺言の作成を考えられる際には、近くの公証人役場に電話をし、公正証書遺言を作りたいと御相談すれば、必要な手続等は教えてもらうことが出来ますし、その際、遺言が無効とならないようにある程度の法的助言も受けることが出来ます。
その為、比較的簡単な内容の遺言であれば、公証人役場に御相談していただければ簡単に作成することが出来ますが、公証人は公的立場からのアドバイスとなりますので、相続人同士の利害関係が絡む複雑な遺言の場合は、一度お近くの弁護士や司法書士に御相談ください。