急病で動けなくなったらどうしたら良いですか。
2026/1/1
前日まで元気な人が、突然の病気で寝たきりになることは、珍しいことではありません。そのような事態になると、倒れた本人の家族や関係者は、どうしたらよいのかと悩まれるかと思います。
特に、その人の財産で生活する家族は、明日の生活の為にも倒れた本人に代わって財産管理を行わなければなりませんが、銀行預金等は、本人が手続きを行わなければならず、仮に家族とはいえ勝手に預金を引き出すことは本来出来ません。なお、非常事態の状況に応じて銀行等の金融機関が、例外的な対応を行う可能性はあり得ますが、各金融機関の判断によるところです。
その為、急病により本人が動けなくなった際は、先ずは本人が意識を回復するのを待つ必要がありますが、仮に意識が戻らない状況が長期間続く際は、本人に代わって財産管理を行う成年後見人を選任する必要があります。
通常の成年後見人の選任には、申立から成年後見人の選任まで時間を要しますが、時間がない場合は、保全処分という手続きにより、通常の手続きよりも迅速に選任する方法もあります。その為、このような緊急事態で困った際は、弁護士等の法律家にご相談下さい。
破産をすればどんな債務も無くすことは出来ますか。
事業の失敗などで自分自身ではどうすることも出来ない借金を背負ってしまった際に、人生をやり直す方法として破産という方法があります。
破産という手続きについては、以前のコラムでも紹介しましたが、その人が持っている財産を整理した後、残った借金の支払いを免除する免責という手続があり、これにより借金の無い状況から生活をやり直すことが出来ます。
ただし、この免責という制度は、全ての債務を免除するとは限らず、政策的な理由から一部の債務は免責が出来ないとされています。
例えば、暴走運転で引き起こした損害賠償債務のように故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償債務は、免責が出来ないとされており、養育費の支払債務なども、免責が出来ない債務の一つとされています。
そのため、長年、養育費の支払いを怠り、ある日突然、多額の養育費を請求された場合、仮にその時点で収入があまりなくても、破産によっては支払いを免れることが出来ません。このような免責が認められない債務については、負債の額を貯めていかないように毎月キチンと支払う事が重要です。
労働中の交通事故の場合、労災保険は使うべきですか。
労働者が労働中に車での事故を起こし怪我をした場合、相手方の車や自分の車の自動車保険があれば、自動車保険で治療費を支払ってもらうことが出来るだけでなく、労働中の事故ということで、労災保険で治療費を負担してもらうことも可能です。
自動車保険も労災保険もどちらも保険であることには変わりがなく、治療費も支払われるため、怪我をした人からすれば、治療費が全額払ってもらえるのであれば、どの保険を使っても同じと考えるかもしれません。
しかし、自動車保険は、事故の責任の内容に応じて損害を賠償するための保険ですが、労災保険は、労働者を保護するための保険という点で大きな違いがあり、労働者に手厚い面があります。
例えば、事故を発生させた原因が労働者側にあり、労働者側の過失が認められる場合には、労災保険では治療費が全額支給されるのに対し、自動車保険の場合、過失の程度で治療費が十分払われない可能性があります。
また、労災保険は、労働者の保護を考えて支給される特別支給金が存在するなど、労働者に有利な点があるため、労災保険が活用できる場合は、労災保険の活用を検討するのが重要です。
知らない通知は、無視していいですか。
2025/10/3
身に覚えのない電子メールが届いた際は、添付の画像やURLをクリックするとウイルスに感染し、時にはデータを奪われることもあるため、多くの人は、メールを開けることなく無視していると思います。身に覚えのない電子メールは、詐欺メールであることが多く、このようなメールは、取り合わず無視するという対応で、基本的には問題ありません。
しかし、実際に届く郵便については注意が必要で、特に、裁判所からの郵便を無視することは危険です。裁判所からの郵便が自宅に届いている場合、裁判等の法的手続きが進行していることが多く、そのまま無視し続けると、例え、根拠のない請求でも、知らないうちに裁判に負けてしまい、その結果を覆すことができなくなってしまいます。
もっとも、裁判所等の公的機関を名乗る郵便であっても、詐欺の郵便である可能性もあり得ます。裁判所からの郵便かどうかについて不審に思ったら、裁判所のホームページ等で、実際の裁判所の住所を確認し、裁判所に電話をして本当に裁判所から送られたものなのか確認してください。裁判所からの郵便で間違いないときは、至急弁護士にご相談ください。
不貞行為の相手は何か責任を問われますか。
有名人が不貞行為をしたことが、ニュース等で取り上げられることがあります。不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことであり、法的には、不貞行為をした配偶者に対して、他方の配偶者は、離婚を請求することができます(民法770条1項1号)。
この時、合わせて不貞行為をした夫又は妻に対して慰謝料の請求をすることも可能です。この他、不貞行為の相手方となった女性又は男性に対しても、他方の配偶者は、慰謝料の請求ができます。
これは不貞行為を行った者が、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害しているためであり、他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるからです。
この慰謝料を支払う義務は、不貞行為を行った配偶者と二人で負う共同の責任であり、一方が慰謝料を支払った場合、他方の支払い義務も軽減される関係にあります。
また、一方のみが支払った場合、支払っていない他方に対してその責任分の支払いを求めることも可能で、不貞行為の相手方のみが支払いを行った後、不貞行為をした夫又は妻に、その責任分を請求することが可能です。
泥棒に盗まれたものは取り返すことは出来ますか。
新聞等で、窃盗被害に関する報道が見受けられます。中には、自分自身が被害に遭われた人もいるかもしれません。このような犯罪被害に関しては、犯人を逮捕し、その時点で犯人が盗んだ物を持っていれば、取り返すことは可能ですが、多くの場合は、犯人逮捕には時間を要し、犯人を逮捕した際には被害品は処分された後ということも多いかと思われます。
盗まれた物が既に処分されている場合、犯罪被害者は、自身が被った損害に関して、犯人に対し損害賠償請求権を有しており、法律上は、被害金額に見合った賠償金を請求することができます。
しかし、盗みを行う人は、盗みを行わなければならない程、生活費に困っていることが多いため、支払うお金を持っていない結果、法律上の請求権はあっても、実際の支払いが受け取れないという結末もあり得ます。
犯罪被害に関しては、現実的な金銭の準備の問題が絡むため、被害回復そのものが困難ということも多いことから、犯人が、警察に逮捕された後、示談を申し入れてきた際に、被害回復を求めることが重要です。この時、どんな示談をすれば良いか分からないときは弁護士にご相談下さい。
どうやったら会社から退職できますか。
現在、退職代行サービスを利用する人が増えているというニュースを目にしますが、必ずしもこのようなサービスを利用しなければ、退職できないわけではなく、期間の定めのない雇用契約であれば、退職したい場合は、「退職届」を提出するだけで退職することができます。労働者が、一方的に会社を辞めることを「辞職」と呼び、辞職は、2週間の予告期間を置けば、いつでもすることができ、会社に対して退職する理由を伝える必要もありません。
その為、辞職をしたいと考えた場合は、業者に対して費用を支払うことなく、自分で作成した退職届を会社に提出することで会社を辞めることが可能です。
なお、辞職は、期間の定めがない雇用契約の場合はいつでもできますが、期間の定めがある有期雇用契約の場合には、病気や家族の介護によって仕事を続けることが困難な場合といった「やむを得ない事由」が必要とされますので、その点は注意が必要です。
また、辞職を申し出た労働者と辞めさせたくない会社との間で争いが起きることがありますが、会社との争いが心配な場合や、実際に争いが生じた際は、弁護士等の法律家にご相談ください。
本人が事務所に行けない場合は相談が出来ますか。
前回のコラムで、当事務所として問題を抱える本人が相談することを原則としていることを紹介しました。
しかし、中には、相談したいが外出するのに身体が不自由であるとか、平日の時間帯は仕事等で忙しいといった理由で、本人が事務所に行くことが出来ないが、弁護士に相談をしたい問題があるという場合もあるかと思います。
その様な場合は、行けない本人の代わりに家族などの第三者が当事務所に御来所いただき、本人が抱えている問題について相談を行うことは可能です。
ただし、前回御紹介したとおり、相談内容が、直接相談する方とは別の人の相談である以上、実際の相談の前には、お電話で「本当に家族に依頼して相談するかどうか」を確認させていただくなどしております。
また、最近はインターネットを利用して、どこにいても互いの顔が見える相談がやりやすくなっていることから、ご住所が遠方などの事情があっても、インターネットの環境があれば相談は可能です。
その為、時間帯や場所の問題で相談が難しいなどの事情があっても、当事務所まで御連絡いただければ、相談方法も含めてアドバイスさせていただいております。
家族の問題について相談は出来ますか。
弁護士に対する相談は、法律関係の問題であれば様々な相談が可能ですが、既に事件の相手方から相談を受けている場合など、利害関係上の問題で相談が受けられない場合があります。利害関係上の問題がなければ、仮に他者が当事者となる法律問題であったとしても、法律相談を行うことは可能ですが、当事務所においては、原則として、問題を抱える本人からの直接の相談をお願いしております。
その理由としては、仮に本人(Aさん)の利益を守るために、家族(Bさん)が相談する場合であっても、多くの場合、相談者(Bさん)自身が問題を抱える本人(Aさん)との間で別の利害関係があり、Bさん自身は、「Aさんのため」といいながら、最終目的は「Bさんのため」に、Aさんに対し、Aさんの意思とは無関係に問題への対応を求めるケースがあり、利害関係上でトラブルが生じることになりかねないからです。
また、結局のところ、問題解決のためには、当事者であるAさん自身が判断し、動くことが必要になるため、当事務所としては、本人(Aさん)のための相談という場合には、Aさん自身が相談することをお願いしております。
住んでいる土地が、知らない人の名義ですが大丈夫でしょうか。
自分の住んでいる土地や建物が誰のものかは、住み続ける上で確認が重要です。土地や建物といった不動産の所有者は、法務局で不動産登記を調べることで確認出来ます。不動産登記を確認すると、時々、土地や建物が、全く知らない他人名義ということがあります。
これは相続登記が放置されているケースや、不動産の売買が行われた時に不動産登記の名義を変更すべきところを、何らかの理由で変更しなかった場合などに生じる状況で、古い建物を相続した際に、土地を調べたら全く知らない人の土地であることに気付くことがあります。
他人の土地の上に、自己名義の建物が存在している場合、土地所有者やその相続人が土地の権利を主張すると、場合によっては長年住んでいた建物を壊すことにもなりかねません。
ただし、建物が長年存在している場合には、多くの場合、建てた当時に、土地所有者との賃貸借や売買などの契約が存在している為、建てた際の経緯次第で、住み続けられるかも決まることになります。
土地を確認したら全く知らない人の名義だった際には、住み続けて問題ないかを確認する為に、弁護士等の法律家にご相談ください。