2024/9/1
前回は放置された土地について、所有者不明土地管理制度を利用することを紹介しましたが、放置された土地に関する困り事として、隣の土地に生える樹木が成長し、越境してくる枝に迷惑する事があるかと思います。
隣の土地の樹木から越境する枝がある場合、従来の民法では、その樹木の所有者に対して枝を切るように要求することは出来ましたが、越境された側の土地の所有者が、枝を切ることは出来ませんでした。
その為、放置された土地の樹木の場合、所有者がどこの誰かが分からない場合や、相続人が存在しない場合には、従来の民法では速やかな対応が困難でした。
しかし、令和3年の民法改正により、令和5年4月1日以降からは、①枝を切除するよう催告したが、樹木の所有者が相当期間内に切除しないとき、②樹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき、③急迫の事情があるときのいずれかであれば、越境された土地の所有者が、枝を自ら切ることができることとなりました。
これにより自ら枝を切るなどの対応ができるので、越境した枝に困った際は、適切な手順を経て対応いただければと思います。