2016/2/14
前回は、境界線紛争について筆界特定制度等を御紹介しましたが、土地の境界線には、登記簿上の土地の境界線である「筆界」と、ある人が土地をどこまで所有しているのかについての境界線である「所有権界」の2種類があります。
多くの場合、筆界と所有権界は一致し、登記簿等で筆界を確認すれば所有権界も確認出来ます。
しかし、時折、50坪の土地のうち40坪を売ったのに、登記費用を節約する為に、50坪の登記のままで名義変更してしまうことがあります。
このような場合、筆界と所有権界が一致せず、所有権界は法務局等の公の機関で直ぐに確認することができなくなります。
境界線紛争において、筆界と所有権界は混同されやすく、単に筆界が所有権界とずれているだけなのに登記簿を見て、もっと自分の土地は広いと考えて紛争になる場合もあります。
前回紹介した筆界特定制度等は、あくまで筆界のみを確認するだけで所有権界を確認する制度ではなく、所有権界の争いは別の制度で解決することになります。
境界線紛争は、解決制度の選択も重要であり、もめた際は早めに弁護士等の法律家に御相談することをお勧めします。