お役立ちコラム

2012/12/14

相続

長男だけが相続するのはおかしくないですか

前回に続き、「相続」をテーマとした基本的な法律知識を御紹介致します。

前回は相続財産をあげたくない時の話でしたが、逆に何の理由もなく相続財産をもらえなかった人がいたらどうなるでしょうか?

よくある事例として、兄弟姉妹がいる中で、家長だからとの理由で先祖代々の田や畑、家畜等を、遺言により長男だけに相続させるケースがあります。

この場合、遺言に従って一旦は長男だけに相続財産が引き継がれますが、これが他の弟妹からすれば不公平だと思うことは当然の発想です。

その場合、民法は、遺言がなければ相続財産をもらえたはずの人について、遺留分という権利を認め、長男に相続財産を分けるよう請求することを認めています。

ちなみに、このケースでの弟妹の遺留分は、本来もらえるはずの相続財産の半分です。

その為、不公平に思う他の弟妹達は長男に遺留分を求めることとなります。

ただし、実際に遺留分を求める際に注意いただきたいのは、亡くなった方には財産だけでなく、多額の借金も一緒にあるケースがあることです。

その場合、長男が借金も背負って先祖代々の財産を守っている場合もありますので、何故長男にだけ引き継いでいるのかは良く事情を確認することが大切です。

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。