2012/9/13
今回は、「借金で始まる家族の悩み」についての最終回です。
「夫が借金をした」だけでは、裁判で強制的に離婚を請求する十分な理由になるものではないことは前回説明したとおりです。
離婚をする方法としては、二人の話し合いによる協議離婚、裁判所の調停による調停離婚があり、これらは話し合いですので「借金」だけが理由でも離婚はできます。
このような話し合いでまとまらないときは、裁判で離婚を求めますが、民法には、①相手方が不貞をした場合、②相手方が理由もなく置き去りにした場合、③相手方が3年以上生死不明の場合、④相手方が強度の精神病にかかり回復の見込みがない場合、⑤「婚姻を継続しがたい重大な事由」がある場合が定められています。
訴訟ではこの5つの理由しか主張できませんが、⑤の事由は、夫婦としての共同生活の回復が見込めない場合を主張することとなるため、その理由として暴力・虐待・浪費・犯罪行為・親族との不和・宗教活動・性格の不一致・別居期間等々、夫婦間の様々な事情を主張することとなります。
ただし、⑤の事由として様々理由を述べても、裁判上離婚理由として十分と認められるかはケース・バイ・ケースとなりますので注意が必要です。