お役立ちコラム

2012/6/13

債務整理・破産・民事再生

夫の事業での借金を、妻は払うべきでしょうか?

今回から「借金で始まる家族の悩み」について数回に分けてご紹介いたします(第1回)。

会社経営の失敗やギャンブル等を理由とする借金もあれば、勤め先の倒産等をきっかけに住宅ローンが残った場合など、理由は様々ですが、夫婦の一方が多額の借金を負うことは世間的に珍しいことではありません。

このような借金は妻側にも生じることがあり、その際、夫婦の一方の借金を他方が返さないといけないのではないかと心配される方は多いように感じます。

このような心配は、家族の借金は家族で返すという考えをお持ちの方が日本では多いことが原因と思われます。

しかし、法律上はあくまで借金を返すのは借金を作った本人だけであり、例え夫婦・親・子ども・兄弟といえども本人の肩代わりをする必要性はありません。

ちなみに、夫婦の場合のみ「日常の家事」に関する債務(家庭用の食料品の購入代金など)についてだけは他の一方が支払う義務がある(民法761条)との例外がありますが、今回の相談のような日常の家事を超えた借金について当てはまりません。

ですから、例え御主人が1億円の借金を抱えたとしても、その他の家族が返す必要はなく、その他の家族の財産のみで生活できるのであれば生活に支障は生じません。

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。