お役立ちコラム

2015/11/14

憲法・人権

子どもに戸籍がなくて色々困っています、どうにかできませんか

今回は、私が弁護士会の活動で関わっている無戸籍児の問題について紹介します。

日本で生まれた子どもであれば、通常、親が出生届を市役所に提出すれば戸籍が作られます。しかし、稀に出生届を出すことにより生じる不利益を考え、出生届を出せず無戸籍となるケースがあります。

典型的な例としては、DVに苦しんだ妻がDV夫から逃げ、逃げた先で新しくパートナーを見付け子どもが生まれたケースが挙げられます。

このケースで、前のDV夫との間で離婚が成立していない場合、又は離婚は成立したが離婚後300日以内に子どもが生まれた場合、そのまま出生届を出すと、前のDV夫の戸籍に生まれた子どもが載ることになります。その為に前の夫に知られる事等を恐れて、お母さんが出生届を出さないまま放置してしまい無戸籍児となることがあります。

このような状態を打開する方法としては、裁判所を利用して前の夫と子どもとの関係を否定する方法等があります。

裁判所を利用する際の手続等には難しい面がありますので、もし出生届を出せないまま無戸籍で困っている方がいれば、お気軽に近くの弁護士か弁護士会に御相談ください。

 

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。