執行猶予とはどういうものですか

執行猶予とはどういうものですか

2017/5/12

刑事裁判を取り上げたニュースで「被告人は、懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡されました。」との説明がなされることがあります。

ここでいう「懲役」とは、「刑罰として刑務所に入れられること」を意味し、1年間の刑務所暮らしとなる場合は「懲役1年」との判決が言い渡されます。

ですがこの時「執行猶予」との言葉が付いた場合は、いきなり刑務所に入れられるのではなく、執行猶予の後に言い渡される期間、犯罪を行わなかった場合は、言い渡された刑罰を受けなくて済むことになります。

その為、「懲役1年、執行猶予3年」との判決の場合、いきなり刑務所に行くことはなく一般社会で生活することができ、3年間社会で犯罪を行わなかった場合は、懲役の刑罰は受けなくて済むことになります。

犯罪者である以上、必ず刑務所に入れるべきと思う人もいるかもしれませんが、刑務所に入ったことによる不利益は大きく、犯罪を繰り返すきっかけになることもあります。

執行猶予の制度は、本人の反省等を踏まえて、やり直すチャンスを与える制度であり、本人が自分の意思でやり直すことで再犯を防ぐことに繋がる重要な制度です。

裁判所から証人として呼ばれたらどうなりますか

2017/4/13

最近は、テレビ等で偽証罪がどういう罪なのかを説明する場面を目にします。実はこの偽証罪という罪は、普通に生活している一般の人であっても、裁判所に証人として呼ばれて証言をした際には問題となりうる罪です。

特に、刑事裁判においては目撃証人の証言が裁判の結果を左右することが多く、裁判で事実の有無が争われると、一般の人でも裁判所から証人として呼ばれることがあり、その際は、証人として裁判所に出頭する義務が生じ、証言をしなければなりません。

裁判所から証人としての呼出を受けた場合、決まった日に裁判所に行き、真実を述べる旨の宣誓を行った上で、自分の体験したことについて質問を受け、証言をします。

「場合によっては自分の証言が偽証罪となりうる」と思うと証言が怖くなるかもしれませんが、偽証罪かどうかは「証言をする人の記憶に反する証言をするかどうか」が重要であり、例え真実に反する証言をしてしまっても記憶のとおりに証言をすれば罪とはなりません。また、記憶にないことは「記憶にない。」と答えれば良いだけです。

ですので、記憶のとおりに証言をすれば何も恐れる必要はありません。

お金がなくても弁護士の弁護は受けられますか

2017/3/11

犯罪とは縁のない普通の生活を送っている人でも、何かの間違いで犯人として警察に逮捕され起訴された場合や、重大な交通事故を起こしてしまってその日の内に逮捕され起訴された場合など、刑事裁判の被告人になる場面というのは存在します。

このような場合に資産に余裕があれば弁護士を選び、自分を守るための弁護活動を依頼することも可能と思いますが、なかなかそのような経済的な余裕がある人ばかりではありません。

ですが、お金がないというだけで弁護士による弁護が受けられないとすれば、刑事裁判という非常に専門的な場面において、何の知識もなく一方的な理由で裁かれることになり、時には無実の人であるにもかかわらず、しっかりと裁判で主張しなかったがために有罪となってしまいます。

そこで、法は刑事事件については、被告人には弁護士による弁護人をつけることを定めており、金銭的な余裕がなく弁護士を自ら見つけることができない場合には、国が弁護人をつけることとしております。

このような国によって選ばれた弁護人のことを国選弁護人と言い、被告人等が自ら選んだ弁護人のことを私選弁護人と言います。

裁判員の仕事は断れないのでしょうか

2017/2/13

裁判員裁判という制度が、平成21年5月から実施されるようになり、それまでは法律の専門家である裁判官だけが、罪を犯したと疑われている被告人の有罪無罪や、刑罰の程度を裁判で判断していましたが、一般の人も裁判員として刑事裁判に参加することになりました。

このような裁判官と一般の人から選ばれた裁判員が、一緒になって裁判する制度を裁判員裁判と呼び、この裁判員に選ばれる可能性は8700人に1人程度とされています。

選ばれることは珍しいことですが、裁判が行われる日は平日であり、多くの場合5日前後は裁判所に通います。また、場合によっては更に長期間裁判に参加する為、裁判員の仕事を負担に感じる人も多いと思われます。

このような裁判員の仕事は原則断ることは出来ず、単に会社が忙しいだけでは断ることは出来ません。しかし、忙しいだけでなく裁判員になり会社を休むことにより経済上重大な不利益が生じる場合であれば辞退が認められています。

その為、どうしても裁判員の仕事を断りたい時は、会社を休むことによる重大な不利益や親族の介護等辞退の理由を具体的に裁判所に述べることが重要です。

どうして悪い人の弁護をするのでしょうか(2)

2017/1/15

前回は、弁護士は、間違って犯人として起訴された人が処罰されることを防ぐ為に、刑事裁判において弁護人として活動することを説明させていただきました。

ただ、刑事裁判の多くは罪を犯したことは間違いのない人が、被告人として起訴されています。その為、罪を犯したことは間違いがないのに、どうして弁護士が味方になるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。

ですが、どのような被告人であっても罪を犯してしまったことについて理由や事情があり、そのような理由や事情に配慮しないまま刑罰を決めていては、実際の罪に対して重すぎる刑罰となりかねません。

また、裁判で戦うには専門的な法律知識が必要となるため、法律の専門家による助力がなければ法律を知らない被告人は自分の事情を裁判で伝えることも出来ずに処罰されてしまいます。

無実の人を処罰するのと同じように、不当に重い刑罰もまた重大な人権侵害です。そのような人権侵害とならないように、刑事裁判の被告人は弁護人を選任することが権利として認められており、弁護士は被告人が不当に重く処罰されないように、弁護人として被告人の為に活動しています。

どうして悪い人の弁護をするのでしょうか

2016/12/13

刑事裁判において、弁護士は、犯人として処罰を求められている被告人の立場に寄り添い、被告人を守る活動を行います。被告人を守る立場の人を「弁護人」と呼びます。

弁護士が、このような活動をすることについて「何故悪い人の味方をするのか。」と疑問に思う人もいるかもしれません。

この疑問に対する答えは様々あるかもしれませんが、一番の理由は、間違って犯人として起訴された人が処罰されることを防ぐことにあります。

多くの人は、警察官に逮捕され、検察官によって起訴された人は、それだけで犯人だと思うかもしれませんが、警察官や検察官も人であり、必ずしも完璧ではありませんから誤って無実の人を犯人と思い込み処罰を求めることがあります。

起訴された被告人が本当に罪を犯した犯人かは、証拠に基づいて裁判官が犯人と判断するまでは分かりません。刑事裁判の被告人になっても、それだけで悪い人というわけではないのです。

 国が無実の人を誤って処罰することはその人の人生を奪う重大な人権侵害であり、そのような冤罪を生まないように、被告人の立場に立って被告人を守る活動をするのが弁護人の役割です。

 

刑事裁判とは何ですか

2016/10/12

「裁判」と聞くと、殺人や窃盗を犯した人が裁判官によって裁かれる刑事裁判をイメージする人が多いように思われます。

「裁判」といっても、このような悪いことを行った人が裁かれる裁判だけでなく、これまで御紹介してきたような一般の人同士の紛争で行われる裁判もあります。前者を刑事裁判、後者を民事裁判と言います。

刑事裁判は、国が定めた法律に違反し、その法律違反について刑罰が定められている場合に、その刑罰が適用されるかどうかを判断する裁判です。

この刑事裁判で、罪を犯したとして訴えられる人のことを被告人と呼び、この被告人がどういう罪を犯しどのような刑罰が与えられるべきかを裁判所に訴えるのは検察官の役割です。

弁護士は、被告人の権利を守る為に被告人の主張を裁判所に伝え、本当に罪を犯したのか、刑罰はどの程度が妥当なのかを争いますが、このような被告人を守る立場の人を弁護人と言います。

 被告人の罪や刑罰を判断するのは専門家である裁判官の役割ですが、最近は、裁判員裁判という制度により、裁判官以外の一般の国民も裁判員として裁判に参加し、刑罰の適用を判断する場合があります。

民事再生手続とはどのような手続でしょうか

2016/9/12

前回、借金が返せない時の対応方法の一つとして民事再生手続を紹介させていただきました。

民事再生手続とは、多額の債務を負い全ての返済が困難な状況にある人が、全体の債務の一部を返済することで残りの債務を免除してもらうという手続です。

この手続きは、破産と異なり、今ある資産を手放すことなく、それまでの生活を維持したまま債務を整理することが可能であり、破産に抵抗のある方や、住宅等を処分することなく債務を整理したい人には有効な手続きです。

このような手段は一見すると借金をした人に非常に有利に思えるかもしれませんが、個人が行う民事再生手続の場合は、借金をした人の現在ある資産の総額を計算し、その資産の総額から計算される最低弁済金額を3年乃至5年に分割して支払わなければなりません。

また、原則としては、お金を貸した債権者が反対しないことが必要です。

その為、残された資産程度のお金を分割して支払うことが出来る人であり、お金を貸した側からしても民事再生手続きで一部でも確実にお金を払ってもらう点にメリットがあると判断してもらえる場合に利用可能な手続きとなります。

借金が返せないときは破産するしかないのでしょうか

2016/8/12

借金が返せなくなると破産をするしかないと思っている方は多いかもしれませんが、弁護士による借金の整理方法としては、破産以外にも、長期の分割弁済により借金を返済する方法や、民事再生という手続を使って借金の一部を弁済し残りの借金を免除してもらう方法などがあります。

どのような手段で借金を解消していくかは、その人の収入や資産の状態、今後の収入の見通し、債権者の意向等様々な要素を検討して判断します。

例えば、100万円の借金を一括で支払うことは困難でも、3年に亘って毎月2万8千円程度での分割弁済が可能であれば、債権者と話し合って3年間の分割弁済に切り替える方法があります。

破産に至る例としては、このような分割弁済に切り替えれば返済可能なのに、当初の約束どおりの金額で返済しようとして、返済の為の借金をし、そのような借金を繰り返した結果、分割弁済でも返済不可能なほどに借金が膨らみ破産に至るというものがあります。

当初の約束どおりに返済することは重要ですが、返済のための借り入れを考えている方は、冷静に収支の状況を見直し、弁護士等に相談することも御検討ください。

破産したら会社から解雇されますか

2016/7/11

破産をすると様々な不利益があると思う方は多いかもしれませんが、会社が、破産をしたことのみを理由として労働者を解雇することは認められません。

一般的に会社が労働者を解雇するには労働者の職務遂行に関する行為を理由とする必要があり、職場外の職務遂行に関係のない行為を理由に解雇することができるのは、会社の社会的評価を著しく毀損するおそれがあるような行為に限られます。

破産は、労働者の私生活上の行動である為、破産をすることそのもので解雇することは、職務遂行に関係のない行為による解雇であり、仮に会社がそのことを理由に解雇をしたとしても無効となります。

また、一般的に破産の手続きをしても会社に通知が届くものではなく、労働者が自ら申告しない限りは、会社に知られないまま破産手続が進行することが多く、解雇が問題となることはほとんどありません。

なお、警備員や生命保険外交員等の一定の職種は、破産開始決定によって資格制限が発生するため、しばらくの間業務に就けなくなり、その結果解雇される可能性があります。資格制限があるかどうかは事前に法律家に御相談の上確認してください。

尾藤法律事務所 岐阜県郡上市八幡町の地域に根づく法律事務所「尾藤法律事務所」です。