取引先が商品の代金を支払ってくれません(3)
2018/4/16
前回は、消滅時効の中断について紹介しましたが、今回は、内容証明郵便を出しても相手が何ら対応しない場合について紹介させていただきます。
このような場合に、強制的な支払いの為に、裁判所に訴えを起こす訴訟という方法が考えられますが、訴訟を行うと裁判所に出向く等の手続が多く、普段裁判に関わりがない人にとっては不便な面があります。
訴訟よりは簡単に裁判所を使って請求したい場合の方法としては、支払督促という方法があります。この支払督促を利用すれば、商品の代金を請求する場合、売主の申立により書類審査のみで裁判所を通じて代金を請求することが出来、最終的には相手の財産の差し押さえが可能となります。この支払督促の申立書は、裁判所のホームページで書式が取得でき、一般の人も比較的容易に利用できます。
ただし、支払督促は、相手が争うと、訴訟に手続きが移行するため、相手が争ってきた場合には訴訟による適切な対応が必要となります。
その為、支払督促を利用したものの相手が争ってきた場合や、そもそも、支払督促を利用するべきか判断に迷うときは、弁護士等の専門家にご相談ください。
取引先が商品の代金を支払ってくれません(2)
2018/3/13
前回は、内容証明郵便を利用して代金を請求することを紹介しましたが、内容証明郵便を何度も出して請求しているだけでは消滅時効の進行を止めることが出来ず、そのまま時間が経ってしまうと代金請求権が消滅してしまうことがあります。
確実に消滅時効の進行を止める方法としては、請求をするだけでなく裁判手続を利用する必要があります。しかし、裁判手続を利用することは一般の人にはなかなか難しいのが現実です。
この場合に消滅時効により代金の請求ができなくなることを防止する簡単な方法としては、取引先に千円などの少額でもよいので、代金の一部を支払ってもらう方法があります。代金の支払がある度に消滅時効の進行は中断し、支払の時から時効の期間が再カウントされ数年間は代金を請求する権利は失われません。
消滅時効が問題となるときは、代金の一部が支払われたかは重要な問題となる為、支払いに関する領収証の控え等を大切に保存することをお勧めします。
もっとも、取引先が代金を一切支払わない場合は、最終的には裁判等を行う必要がありますので、そのような場合は一度弁護士等の専門家にご相談ください。
取引先が商品の代金を支払ってくれません(1)
2018/2/11
商売をしていれば、取引先が代金を支払ってくれるかどうかは重要な問題です。
多くの場合、商品を買った相手方は代金を払ってくれますが、一部の取引先が代金を支払ってくれなくて困ることも発生します。
取引先が代金を支払わない場合は、まずは、代金の請求をすることが重要です。代金請求権があるといっても、何年も請求せず放置すれば消滅時効により請求できなくなることもある為、時効を止めるためにも、請求をすることが重要となります。
この時、単に電話や通常の請求書を送ることで請求の意思を相手に伝える方法もありますが、後の裁判で相手側が「そんな請求は受けた覚えはない。」と惚けて責任逃れをしようとすることは稀に存在します。
そのような事態を防止する一番良い方法は、内容証明郵便という特殊な郵便制度を利用することです。内容証明郵便は、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを郵便局が証明してくれる制度です。
この制度を利用してきちんと相手方に代金請求をすれば、請求があった事について裁判所は事実として認めてくれる為、裁判における重要な証拠になります。
隣の空き地との境界を確認するにはどうしたらいいですか
2018/1/14
これまで空き家の対応を説明してきましたが、空き家問題には、土地の境界の問題が生じることがあります。
土地の境界を考える際に重要なのは、公法上の境界と私法上の境界があることです。
公法上の境界は、法務局に備えられた登記に従った土地の境界であり、このような境界は土地の所有者でも勝手に決めることは出来ません。
私法上の境界は、隣地同士の所有権の境、つまり、どこからどこまでが互いの土地かを示す境界であり、多くの場合は公法上の境界と私法上の境界は一致します。
その為、隣地との境界を確認したい場合は、法務局にある登記や公図を参考に境界線を確認することになりますが、これらの資料だけでは容易に境界が分からない場合もあります。
そのような場合、法務局の筆界特定制度を利用すれば、法務局の担当者に様々な資料を踏まえ境界線を示してもらうことが出来ます。
ただし、筆界特定制度が示す線は確定的な境界線ではなく、その後、裁判所における境界確定の訴えにより最終的な境界線が引かれることもあります。
境界の問題は難しい点もありますので、境界でお悩みの際は弁護士等の法律家に御相談ください。
空き家の所有者が行方不明の場合はどうしたらいいですか
2017/12/13
前回は、所有者が認知症の場合について説明しましたが、今回は、所有者が行方不明の場合について説明します。
近所の人からすれば所有者が行方不明と思っても、弁護士等が住民票を調査すれば所在が判明する場合もありますが、住民票の移転がなく親族も行方が分からないという場合が存在します。
行方不明の場合、その所有者が現れるか、死亡により親族が相続をしない限り、いつまでも空き家をそのままにせざるを得ないことにもなりかねません。
そこで、法律は、所有者が行方不明の場合に、不在者財産管理という制度により行方不明者の財産を別の人が管理することを認めています。
この制度を利用すれば、裁判所が不在者財産管理人を選び、その者が、行方不明者の財産を管理することになりますので、管理に必要な範囲内で空き家の問題に対応してもらうことが可能となります。
ただし、この不在者財産管理人は、行方不明者の財産を代わりに管理するだけで、自由に空き家を処分できるわけではありません。その他、申立には一定の要件もある為、空き家の所有者が行方不明であるため困っている人は、弁護士等にご相談ください。
空き家の所有者が認知症の為に対応してもらえません
2017/11/13
今回は、所有者が認知症により空き家を管理できない場合について説明します。このような場合、実際には、所有者の家族が空き家の管理を行っている場合があり、その場合は、所有者の家族に対し管理等をお願いすることで問題が解決することもあるでしょう。
しかし、必ずしも家族が対応してくれるとは限らないだけでなく、法律の原則としては、空き家の管理は所有者が行うものであり、家族であるだけでは空き家の管理はできません。
法律が想定している対応方法は、空き家の所有者の家族等が、裁判所に対し、認知症等により判断能力が失われている人の代わりに、その人の財産を管理する成年後見人を選び、財産の一つである空き家も成年後見人に管理してもらう方法です。
成年後見人は、空き家の所有者の家族もなることができますが、必ずしも家族が成年後見人になれるとは限らず、成年後見人には報告義務等の負担もあります。
その為、認知症の人の為に成年後見人が必要と感じた場合には、誰が成年後見人として選任されることになるか、成年後見人が行うこととなる仕事等を事前に弁護士等の法律家にご相談することをお勧めします。
空き家の所有者が死亡し、相続人もいません
2017/9/13
前回は空き家の所有者が既に亡くなっていた場合について紹介しましたが、相続人を調査したものの相続人が一人もいない、又は、本来相続人となるはずの人はいるものの、その人達全員が相続放棄をして空き家を相続している人がいないという場合があります。
相続人がいない場合、その空き家については誰も処分する権利を持つ人がいない為、そのままでは空き家を誰かに売ったり貸したりすることが出来ず、人に売れば有効活用できそうな空き家でもそのまま放置されてしまいます。
このような場合、法は、相続財産管理人という制度を定めており、裁判所に申し立てて相続財産管理人を選んでもらうことで、その相続財産管理人が空き家を売却し処分すること等を認めています。その為、相続人がいない時は、相続財産管理人を選任することで空き家への対応が可能となります。
ただし、このような相続財産管理人の選任を裁判所に請求するには、空き家の所有者に対して貸付金がある等の法律上の利害関係が必要となります。このような利害関係の判断は難しい為、相続人のいない空き家でお困りの時は近くの弁護士等の法律家に御相談ください。
空き家の所有者が既に亡くなっていました
2017/8/8
前回空き家の所有者を確認する方法を紹介しましたが、法務局で不動産の登記事項証明書を取得して所有者が判明しても、既に亡くなっている人の名前となっていることがあります。
所有者が死亡しても、その相続人がいれば、相続人が現在の所有者ということになり、例え不動産の名義が死亡した人のままであっても、相続人に対して空き家の処分等を請求することは可能です。
相続人となるのは、亡くなった人の夫や妻、子や孫、両親や祖父母、兄弟姉妹等であり、場合によっては何代も相続を繰り返している場合もあります。
相続人を調査する方法は、不動産の登記事項証明書から明らかとなった所有者の住所に従って、その住所地の地方自治体(市や町)において、住民票の除票を取得し、除票に記載されている本籍地から、更に戸籍を取り寄せていくという作業を行っていき,相続人を確認していきます。
住民票や戸籍の取得は一定の条件が満たされれば第三者も可能ですが、相続人が誰かを判断し、多数の戸籍を集める等で非常に手間が掛かりますので、弁護士等の法律専門家に現在の相続人の確認等も含めて御相談される事をお勧めします。
隣の空き家が誰の空き家か調べたいです
2017/7/12
前回空き家の所有者に対する損害賠償請求の話を紹介しましたが、損害賠償に限らず空き家に動物が住みついたり、敷地内の木の枝が自宅にまで伸びてきて困ったりした際には、空き家の所有者を確認し対処をお願いしたい場合もあるかと思います。
誰が所有者かについては、家の表札や自治会や近所の人からの情報等で知ることができることもありますが、そのような情報がないと誰の所有者かも分からないままとなってしまいます。
そのような場合、まずはお近くの法務局に行き、不動産の登記事項証明書を取得することで誰の所有かを確認することができます。
調べたい家の所在地の地番等を地図で確認し、法務局の窓口で必要書類に所在地等を書けば、不動産の所有者の住所・氏名・不動産の種類・構造・床面積等が記載されている登記事項証明書が手に入り、それで誰の空き家かが分かります。
登記事項証明書の良いところは、誰でも全国の法務局で取得できる点であり、弁護士などを利用することなく自分で調べることができます。
ただし、建物は登記がない場合もある為、そのような未登記の建物を調べたい時は弁護士等に御相談ください 。
古い空き家の屋根から瓦が風で飛び、私の家のガラスが割れました
2017/6/13
近年、全国各地で空き家問題が取り上げられており、郡上市においても住んでいた人が亡くなったり、引っ越したりが原因で、空き家となった建物が存在しています。
空き家は、売却や賃貸が出来れば修繕が行われますが、中には次の使用者が決まらず、長年放置され屋根瓦が落ちる状態の危険空き家となるものもあります。
人が住んでいないだけならまだしも、古くなり瓦が飛ぶような危険空き家になると周囲の人にとっては重要な問題であり、質問のような被害が発生することもあります。
そんな時、空き家だから何も言えないと思う人もいるかもしれませんが、空き家であっても所有者は存在し、建物の保存方法に問題があることで損害が発生した場合は、家の所有者は責任を負わなくてはなりません。
その為、質問のような場合、空き家の所有者がきちんと屋根の補修などしていなかった場合は、割れた窓ガラスの修繕の費用を請求することができます。
家の所有者を知らないときは不動産登記などで所有者を特定し、所有者やその相続人に損害を請求していくことができますので、空き家によって損害を受けた時は、弁護士等に御相談ください。